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もみ合いの中で床に落としたリュックには、中島にとって大切なものが入っていた。
でももちろんのこと、拾い上げる余裕も無く、あっ!と思った瞬間には両腕を絡め取られ、突き落とされるようにベッドに背中から落ちた。
「・・・ッ!!」
倒れた衝撃で、中島のメガネはどこかに飛んで行き、ド近眼の視野では、相手の顔は全く見えない。
ヒトデ!ヒトデ!ヒトデ!!
ペールオレンジの肌が視野全体に広がって、中島の恐怖は頂点に達した。
「ぃやーーーーー!!!」
食べられる!
食べられる!
食べられちゃう!!
「痛くしないでッ!!」
せめて、せめて!
「優しく噛んでッ!!」
優しく噛んで発言に、富永はブッ飛んだ。
やべぇ、こいつ、しかもマゾだーーーーッ!!
富永の力士スーツの中は、汗びっしょりだ。
サウナ状態の体からは、湯気が出そうなほど熱くなっていた。
朦朧としてくる頭が、そうさせたのかもしれない。
尋常じゃない暑さが、体を勘違いさせたのかもしれない。
抵抗する体を押さえつけた、その優位な立場でおかしくなったのかもしれない。
何が原因で、そう思ったのか分からないけれど。
・・・なんか、可愛く見えてきたぞ。
ぴちぴちと跳ねる小魚のような白い腕も、メガネが弾け飛んで現れた大きな瞳も、頬を真っ赤に染めて「優しく噛んで欲しい」とねだる様子も、女の子のようにふっくらとした唇も。
・・・ヤバイ、キラキラして見えてきた。
おはよう靴下野郎は、めちゃくちゃ可愛い顔をした男子だったのだ。
薄い腹に跨って体重で押さえた体は、華奢なのが分かる。
欲求不満なのかもしれない。
男性に興奮するなんて、オカシイのだ。
「あっ、あっ!痛いの、イヤ!!」
めっちゃ、興奮する・・・。
富永は顔を落として、中島の首筋の匂いを嗅いでみた。
きっと野郎なんだから、臭いはず。
この変な気分もおさまるはずだ。
そう思って嗅いだのに、ふわりと甘い香りが鼻腔に広がって、くらりときた。
・・・うわ、抱けるかも。
ほんの少し。
ほんの少しだけ。
野郎の首筋に唇を落とすと、ピクッと体を震わせた。
・・・ヤバイ、クル。
下半身が育っていくのが分かる。
ダメだ。
ここは甲斐くんの家で、俺は襲われたんだぞ!
自制心を働かせる方法を考えながらも、俺は本能のまま、その首筋の甘い匂いを吸い込んだ。
と、その時、
「ただい、・・・マア?!」
課長の間の抜けた叫び声が、部屋中に響き渡ったのだった。
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