アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
100
-
「ただい、・・・マア?!」
裏返った声に、富永も中島も目を丸くして入り口を見つめた。
富永の目には、チンピラ風中山が仰け反っており、その背中を寺田さんが支えているのが見て取れた。
・・・そうだった!寺田さん!!
お、おおおお俺は、何を血迷っていたのか!
「その人がストーカーよ!」
続いた寺田さんの叫び声に、富永は驚いて腕の中の男性を見下ろして呟いた。
「コイツが?!」
「その人よ!」
しょーげき。
こんな可愛い顔をして、寺田さんをストーキングしてたなんてビックリだ。
一方、中島も納得した。
「その人がストーカーよ!」
女性の声にはビックリしたけれど、考えれば納得がいく。
このペールオレンジのボディを持つ人は、甲斐殿のクローゼットを漁っていた。
わたしには、どうみてもモンスターにしか見えないけど、女の人は『バケモノ!』とは叫ばなかった。
ということは、女の人から見てこの人は、人間に見えるということが推察された。
・・・ヒトデのモンスターじゃなかったってことだね。
ホッとした。
このまま食べられてしまうかと思っていた分、ホッとして全身の力が抜けた。
ああ、ダメだ。
まだ終わっていない。
ちゃんと捕まえて、甲斐殿を救わなくっちゃ。
「コイツが?!」
「その人よ!」
誰かの会話を聞きながら、中島は心に誓った。
・・・この人がストーカー。
絶対、絶対、捕まえないと!!
武器はもう、手に無い。
揉み合ううちに、どこかに行ってしまった。
せめて、リュックがあれば!
メガネも飛んで、どこかへ行ってしまった。
中島は絶対絶命であり、かつ、絶好の好機に晒されていた。
目が見えないことと、逆に自分が押さえ込まれていることが絶対絶命の部分で、対しての好機は、甲斐殿を苦しめる犯人は目の前で、どうにか頑張ったら、捕まえることができるという点だ。
とりあえず、暴れる!
ジタバタと暴れた。
どうにかして体を返せば、やれるはずなのだ。
「課長!そこにビニール紐があります!!」
誰かの声に、中島は思い出した。
そうだ!それでこのストーカーを縛ればッ!
「え?!どこ?!」
「クローゼットの中に転がってませんか?!」
何人来てるの?!
でも、とにかく!
「どなたか存じませんが、わたしも手伝いますッ!!」
「え?!」
中島は必死の思いで叫ぶと、近くで「え?!」という声が上がった。
「今捕まえますから!!」
「ええ?!」
と、バンッと物凄い爆発音がして中島は驚きに飛び上がった。
「ば、爆弾ッ!!」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
100 / 108