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翌朝、いつもどおりに家を出て駅に向かった。
「あれ、甲斐さん?」
「え?!課長?!」
めちゃくちゃびっくりした。
だって、中山課長が同じ駅にいたからだ。
「お、おはようございます。課長もこの駅なんですか?」
「おはよう、そうそう毎日使ってる。」
背中にじっとりと汗が浮かんだ。
一緒に改札を抜けて、一緒にホームに立てば、必然的に同じ車両の同じ位置に乗り込むわけで。
・・・うわ、どうしよう。
人波に押されたふりをして遠くに行きたいかも。
たぶん、意識しすぎ。
寺田さんから言われたから、気になっているだけかもしれない。
でもでも。
「・・・混むよね。」
「はい、ソウデスネ。」
お願いだから話しかけないで欲しい。
さっきから、鼻息が首筋に当たるのが、すっごく嫌!!
そうこうしてるうちに、胸の携帯が震えた。
あ、山野さんからかも。
昨日、お客さんと飲みに行ったこと。
同じ高校だったことが分かって盛り上がったことを正直に連絡していた。
夜勤の日だったから山野さんからの返事が、いつもより遅れたことは把握済みだ。
うー。
課長が一緒だと、電車降りてからも見れないや。
平日は逢えない事が普通だ。
だから、メッセージくらいは早く返したい。
あー、もう!
我慢しなきゃ。
そう思いながら、おれは電車に揺られた。
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