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「・・・すみませんでした。」
「大丈夫。とりあえずお水飲んで。」
トイレから支えてもらってホームに出た。
「うちの病院まで行こう。」
「あ、いや。寝たら治りますから。」
脇を抱えるように支えてもらっていると、駅員さんが走って来た。
「大丈夫ですか?!」
「車椅子をお借りしてもよろしいですか?」
え。
自分が乗ったことってなくって、びっくりした。
「の駅でお返ししてもよろしいですか?」
「大丈夫ですよ、スタッフに連絡しておきます。」
ど、どうしよう。
「松島さん、おれ、大丈夫です。」
「黙って。大丈夫な顔色じゃないから言ってんの。遠野先生に診てもらうの嫌?」
「・・・。」
お客様なのに、自分を曝け出すみたいで嫌だった。
医療機器メーカーあるあるだけど、自分が担当の病院には受診しないのが普通だ。
黙り込んだおれを見て、松島さんが小さくため息をついた。
「じゃあ、うちくる?」
「え?」
口を押さえて見上げると、松島さんが怖い顔をした。
「言っとくけど、二択しかないからね。遠野先生に診てもらうか、俺ん家で寝てるか。どっち?」
絶体絶命だった。
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