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放出した後は、何も出来なくなる。
急激な睡魔に襲われるし、何も考えられなくなる。
体は汗や体液でぐちゃぐちゃだし、ベッドも濡れて気持ちが悪い。
その部分を避けるように体を丸くして、おれは意識を手放した。
・・・繋がっていた部分が、まだ柔らかく息を継いでいることを感じながら。
------------※ ※ ※------------
「あ、起きた?」
次に目が覚めた時は、夕方の長い陽が差し込む時間で、優しい目をした山野さんに見つめられていた。
「や、まのさん・・・っ!」
ああ、好き。
めちゃくちゃ、好き。
手を伸ばすと、山野さんは抱きしめてくれた。
「体、大丈夫?」
「うん。」
腰は痛だるい。
でも、山野さんの胸の心臓の音を聞いていたら、痛みはやわらぐような気がした。
「・・・服。」
おれは山野さんのお家にお泊まり用に用意していたTシャツを着ていた。
「うん、一応拭いたから良いかなって。」
「ありがとう、山野さん。」
下はパンツだけ履いていた。
「・・・あいつ、だったんだろ?」
「うん、怖かった。」
中山課長は、おれをストーカーしている。
飲みの誘いも、仕事中の視線も、家に来たのも・・・駅で偶然を装って張ってたのも。
ぶるっと震えた。
「・・・おれ、どうしよう。」
「会社、辞めちゃえ。」
考えた。
課長に会わないでいいようにするには、会社を辞めるのが一番早い。
でも、今の仕事は嫌いじゃない。
山野さんと出逢うことが出来た、奇跡の仕事だ。
黙り込んだおれを、山野さんは優しく揺さぶった。
「ここに住めば良いよ。うちで主夫したら良い。」
「・・・家事、できないのに?」
鼻を啜ると、耳を引っ張られた。
「出来てるじゃん。ずっとうちに居たらいいよ。」
魅力的な話だけど、頷けなかった。
「ゃまのさん、病院は?」
「早退。ちょうど患者の様子を診に、斎藤先生がいらしてたから、頼んで出てきた。」
「ええ?!」
体を離して、山野さんを見つめた。
「ふふ、甲斐くん目が大きくなってる。」
「大っきくもなりますよ!病院に帰ってください!」
「大丈夫、斎藤先生には貸しがあったんだ。」
肩の力を抜いた。
「・・・本当に?」
「本当。だから大丈夫だよ。」
息を吐いた。
「おれのために、ごめんなさい。」
そう謝ると、デコピンされた。
「ぃだッ!」
「違うだろ、当たり前なんだよ。命より大切な人の危機に駆けつけない野郎なんかになりたくないんだよ。」
ああ、心が温かくなっていく。
「な、仕事辞めちまえ。」
嬉しかったけど、返事が出来なかった。
「・・・大切って言ってくれて、ありがとう。」
山野さんは困ったように笑うと、おれの頭を撫でた。
「腹、減ってるだろ?なんか食おう。」
「はい。」
頷くと、山野さんはキッチンへと向かった。
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