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告発。
つまり、組織内で起きた不正や不祥事を明らかにすることだ。
「・・・おれがストーカー行為をされていると?」
「そう。付き纏いは本人が嫌なのであれば軽微な犯罪行為としてペナルティが課される。そのペナルティは、口頭注意かもしれないし、もっと重いものかもしれない。」
左遷や減給などだ。
「でも、証拠も無いし。」
「カメラ、仕込んでおこうか?」
カメラ・・・。
「でも、単に心配で部下を見舞っただけだと言われたら?」
「証拠を作るか?」
信号で止まった。
車の前を横切る歩行者の足元を見ながら、おれは静かに考えた。
証拠を作るということは、おれが一度襲われたら良い。
でも、耐えられるだろうか。
「もしもし、甲斐くん。」
「あ、ごめんなさい!」
信号が青に変わっていた。
アクセルを踏んで、静かに走り出す。
「まさか自分が襲われようなんて考えてないよね?」
「え、違いましたか?」
横から山野さんのデコピンならぬ、ほっぺたピンが走った。
「そんな危ないことさせるわけないじゃん。ま、まずは家に戻って荷物を片付けるよ。せっかくのスーツがクシャクシャになる。」
「・・・はい。」
考えるのを辞めて、おれは運転に集中した。
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