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出てきてください、だとぅ?!
富永は、能天気に回る洗濯機の前で頭を抱えてしゃがんだ。
消えたい・・・このまま消えないだろうか。
つるつるの膝を至近距離で見つめた。
これは絶対罰ゲームだ。
だいたい寺田さんが何故、甲斐くんの家にいるのかが分からない。
バッティングセンターで課長と きゃあきゃあしていたのは、夢を見たんだろうか。
体はすっかり冷えて、気持ちも落ちるところまで落ちている気がする。
・・・排水溝から出れないかな。
洗濯機から出ているホースを眺めて、腕をだらんと落とした。
とりあえず、寺田さんは俺の裸を見た。
風呂上がりだったから、まだ普通サイズだ。
いまは冷えたのとビビったせいで、ちんまりサイズに変わった息子をそっと押さえた。
息子よ、どうする。
お前を隠す手段がコレなんて・・・。
脱衣籠は、触り心地の良さそうなソレが置いてある。
ふらりと立ち上がって、前みごろ、後ろみごろの順に再確認した。
のろのろと足を通し、ため息をついた。
息子を晒して嫌われるか、息子を隠して嫌われるか・・・。
いずれにしても、嫌われる。
左腕を通してから湯気で曇っている鏡をザッと拭いた。
寺田さん・・・、あなたのいう服は、コレなんですよ。
本当に良いんですか?
というか、甲斐くん。
お前、絶対シメる。
右腕を通した。
「富永さん!説明してください!!」
中山課長の厳しい声が、扉の向こうから聞こえてきた。
・・・俺の恋は終わった。
富永は覚悟と共に、一歩を踏み出したのだった。
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