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解放
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ああ、なんだってそんなうるうるした目で自己犠牲を選ぶんだよ
本当は怖いくせに
だけど、俺はお前が望むよりも残酷に生きたいんだ
だから、その分だけきっちり身体で返してもらうよ
「おい、よく聞け奴隷たち・・・。」
ジャラジャラ・・・
あちこちで鎖が動く音が聞こえてきた。
ああ、そっか。俺はいつの間にかこんなに沢山の奴隷を扱っていたんだ・・・
「面白い奴がいてな。お前らの解放を望んでる」
辺りがザワつく
笑顔の者も居れば、疲れ果てた顔をしてる者もいた
「よって、ここにお前達を解放することを誓う」
ザワつきがいっそう強くなる
「歩ける者は自力で、歩けない者は我が家来に頼んで外に出ろ。そしたら自由だ。いままでよく頑張った。ありがとうな。」
我ながらなんて馬鹿げた挨拶だ
自分で苦しめておいてこの言葉は無いだろう・・・
思わず自嘲気味の笑みがこぼれた
奴隷達が目の前から消えていく
なにかが足りない
空になった空間を見て、何故か寂しくなった。苦しくなった。哀しくなった。
うすうす気づいてた
きっと俺は、さみしかったんだ
周りに誰かいないと、怖かった
俺を恐れおののいてる者たちばかりだったけど、そんなのは当然で・・・
それが俺の欲求を満たすことが無かったから、きっと俺はいつの間にかこんなに奴隷達を扱っていたんだ
ああ、そうか、そうだったんだな
でも、いい
まだ、美郷が居る
あいつだけは離さない
それが例え理不尽な己の欲求だったとしても
あいつだけは・・・
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