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真実 2
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暫く温かくて幸せな時間を平良さんと過ごしていた時だった
がちゃ、と控えめに、ノックも無しで扉が開く
ぼく達はびっくりして音の付きそうな勢いで扉の方を見れば、気まづそうに立っている鷹さんと目が合った
「なにしに、来たんですか」
平良さんが僕を隠すように僕の前に出る
こんな状況なのに、かっこいいな、なんて空気の読めないことを呑気に思ってしまう
普段は決して聞くことのない冷たく、刺さるような平良さんの声色に鷹さんは驚くけど、すぐに真剣な顔になった
「美郷に、話さなきゃいけないことがある」
嫌な予感がした
この流れでいい報告では絶対にない
平良さんも顔を顰める
「それは、俺がいたら話せないことですか?」
鷹さんはまるでそう言われることを予想していたかのように冷静に答える
「いてもいいが、いない方が話しやすい」
それを聞いた平良さんは僕を守るように片腕を広げた
「さっき2人きりにした結果がこれですよ?俺がここで引くと思いますか?」
「・・・っ、分かってる。」
僕抜きで進んでいく話にもやもやした
たしかに怖いけど、でも、以前ならそれが普通だったんだ
だから僕は大丈夫なのに
体ならきっとまた回復する
「僕は、大丈夫です。」
そう口に出せば平良さんは唇を噛んだ
「美郷、」
「僕は鷹さんを信じています。だから、こんどこそきっと大丈夫です。」
僕が言い切ると、平良さんの瞳は不安そうに揺れた
鷹さんはほっとしたように息をついた
「心の準備ができたら俺の部屋に来れるか?」
ちゃんと時間をくれたし、やっぱり鷹さんは優しいんだな、なんて
こんなこと言ったら平良さんは呆れちゃうんだろうな
「分かりました」
僕が微笑むと、鷹さんも微笑んで僕の部屋を出ていった
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