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* Sweet.1 *
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お互いに地雷を踏み抜いていたとは全く知らず。
夕里はどうしよう、どうしたらいい、と呑気にぽちぽちとスマートフォンを弄る寺沢に助けを求める。
第一、好き好き大好き、って言ったところで、茅野がモテなくなる訳ではないし。
寺沢に話しても、もやもやは消えないままだ。
茅野だって、今頃群がっていた女の子の誰かと放課後デートを楽しんでいるのかもしれない。
「お前のアドバイス全然あてにならない。なあ、お詫びに何か奢れってば」
「それは実践してから言ってよ……」
言いつつも、寺沢は席を立って「何にするの?」と夕里に聞いた。
冗談のつもりが、まさか本気に取られるとは思わなくて、ちょっと驚いてしまう。
「えーっと、じゃあ、ティーラテにする」
こういうスマートさもモテる秘訣なんだろうな。
夕里は頭の中でメモを取りながら、ティーラテ分の代金を財布から探す。
「……夕里、小さいからすぐいなくなるよな」
こつんと不愉快な言葉で小突かれたようだった。
身長をなじる言葉に下火になっていた怒りが、再びふつふつと燃え広がるのを感じた。
さっきまで寺沢がいた席に、何食わぬ顔で黒髪の男が頬杖をついて座っている。
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