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* Sweet.1 *
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「で、何で夕里は俺を避けたがんの?」
「そんなの、俺が言わなくても分かってるんじゃないですかぁ……?」
──あー、やだなぁ。本当はこんなこと言いたくないのに。
俺がもっと素直でいい子で可愛かったら、茅野にとってもよかったんだろうな、と思う。
我儘な独占欲を振りかざすほど、自分に魅力も自信もないから、捻くれて卑屈になってしまう。
「……だって。茅野が女子に囲まれてるの見るの、嫌だ。絶対に皆、茅野のこと好きじゃん」
「ヤキモチ? かーわい」
正直に告白すると、恥ずかしさと晒した嫉妬の感情に、かあっと顔が熱くなる。
ヤキモチなんて4文字で簡単に片付けてはい、おしまい、じゃない。
「好き」が少しずつ確信めいたものに変わっていって、違うかも、と過程で振り返ったりもした。
茅野に対して抱える気持ちは、2文字なんかに収まりきらない。
「からかうのやめろってば。もうお前のこと嫌い」
「俺は好きだからいいよ」
「よくないだろ、バカ。もっと嫌いになる……本当に嫌いになるかも」
「それならもう1回好きにさせるから」
口に含んだティーラテよりも甘い言葉を紡がれて、夕里は思いきりむせてしまった。
その様子を、茅野は不思議そうに、少ししたり顔で見つめている。
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