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* Sweet.1 *
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──どれだけ自信過剰なんだよ、もう。
不思議と鼻につく感じがしないのは、その言葉が飾りじゃないからなんだろう。
これ以上この場で好き好き言われても困るから、夕里は一言だけ「ごめんなさい」と謝った。
今のタイミングで謝罪を口にするのは、絆されたみたいで癪に障るが、素直になれたきっかけには感謝する。
仲違いをしても、器の大きい茅野がすっぽりと言いくるめてしまうから、決定的な亀裂は入らない。
お付き合いを始めてもうそろそろ半年。
気に入らないことがあれば遠慮なく茅野にぶつけているが、それで嫌気が差したり……なんてことはなかった。
茅野のほうが夕里の我儘に手を焼いたり折れたり、というのも少し違う気がする。
一方的にぎゃんぎゃん喚いて、寝て朝になったらほとんどすっきりして仕切り直しだ。
「あのさ、いっつもありがと! 俺の世話焼いてくれてっ」
やけくそでお礼を言うと、茅野は荒っぽく頭を撫で回してくる。
店から出る間際、一応友人の寺沢にメッセージを送った。
『仲直りできた』の報告に、既読がついて『好き好き言った?』と返信。
何とも返さずにスマートフォンをしまい、茅野と一緒に歩く。
「なー、俺いなくなってどのくらい心配した?」
「このくらい」
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