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* Sweet.1 *
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集中力が切れかけていたので、再び机に向かい直し、びしびしと自分の頬を叩く。
ペンに持ち替えたところで、スマートフォンの画面が明るくなり、新着メッセージが届いたことを知らせる。
『俺も好き』
──は? 何でいきなり告白してるんだ……?
茅野の顔のアイコンと動くハートマークつきのメッセージに、きゅんきゅんと胸を揺さぶられるものの、夕里はひとまず無視して参考書の問題と向き合う。
一問一答の簡単な分野を解いている途中なら気にならなかったそれが、大問に当たる頃には、ちょこっと覗いてしまった茅野からの返事が、頭を埋め尽くしてしまう。
「あーもう!」
見るだけ……既読をつけて寝落ちたふりをするだけ。
トークルームを開くと、1番下の新着にさっきも見た文字がある。
──人が勉強に集中しようとしているときにこいつは……それは、俺と女の子に効果抜群だぞ。
既読をつけるだけのつもりだったが、返事がないことに茅野が悶々としてもかわいそうなので、「おやすみ」のスタンプを送信した。
「……え、えっ、えぇ!? なんでなんで……」
画面を閉じようとしたとき、送った覚えのない「好き好き……」の文字の羅列が目に入った。
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