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* Sweet.1 *
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──恥ずかしい……恥ずかしい!
羞恥でかあっと一気に顔まで火照った。
画面の光ったスマートフォンを壁に向かってぶん投げようと腕を振り上げたが、糸に引っ張られるみたいに思いとどまる。
割れた画面の修理代は、お小遣いから天引きだ。
下投げで枕の上に優しくぽすっと着地させると、夕里もベッドに寝転がりじたばたと暴れる。
──ばかばか、俺のバカ……!
くしゃっと丸めた布団を、衝動的にぼすぼすと拳で殴った。
付き合っている相手に「好き好き」言う度に、こんなむず痒い気持ちにならなければいけないのだろうか。
夢中になっていたせいで隣の壁を何度か殴っていたことに気付かず、就寝中の千里に雷を落とされてしまった。
……────。
翌朝、誤送信した熱烈な告白の件について、言い訳をする時間もなかった。
夕里は寝坊して待ち合わせの時刻に遅れてしまった。
中央の改札でちょうど走ってきた茅野とばったり会い、一緒に外に出る。
「……はよ。なんだ、茅野も遅刻じゃん」
「……お弁当1人分多くつくってたから。好き嫌い多いから毎日大変でさ」
お弁当の入った手提げ袋を受け取ると、やや小走りになりながら学校までの道を行く。
1時限が始まる5分前のチャイムが聞こえてきて、2人はやばい、と顔を見合わせ、走る速度を上げた。
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