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* Sweet.1 *
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どうにか門の内側にはギリギリで入れたものの、強面の指導教員に捕まってしまう。
「3年の茅野と……そっちのピンクは九重だな。お前らなぁ、新入生が入ってきたばかりなんだから、3年は手本を見せないとだな……」
我が校の模範的な生徒とは……と、説教が始まり、茅野は「すみません」と声だけ繕って謝る。
余りにも感情が込められていなくて、夕里はくすっと隣で笑ってしまった。
運悪く見つかってしまい、校内で知名度の高い茅野におまけとしてひっついていた夕里に、容赦ない説教が飛んでくる。
「反省しとらんだろう、全く。うちの学校は髪の色に指定はないが、3年間ピンク色のやつは学校設立以来初めてだぞ」
「はい、すいません……っていうか! 髪は自由なんじゃないんですかぁ……」
1年の始業式あたりからピンク色に染め出した夕里は、入学早々教員から目をつけられていた。
自由な校風を謳う以上、髪色を戻すことは強制出来ない派と、さすがに限度を超えているから注意すべき派で分かれていて、3年経った今でも決着はついていない。
今どきの若者は……と、また長い話が始まりそうで、夕里は出そうになる欠伸を止めるのに必死だった。
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