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* Sweet.2 *
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「だって絶対美味しいやつじゃん……っ。食べていいの?」
「どうぞ」
「やったぁ。いただきます!」
茅野の家にお泊りに来たならば、美味しい食べものを期待せざるを得ない。
繁盛しているかやのやの看板を裏切ることなく、宝石みたいに綺麗なゼリーはどこを食べても美味しい。
皿には夕里が持ってきた個包装の洋菓子があり、茅野の兄妹達に食べな食べな、と振る舞った。
「夕にいのお土産好き!」
「俺も茅野の家のゼリー好き!」
もうすっかり兄妹達のペースだ。夕里は同じような返答をする。
「夕にいって何で舜にいのこと舜にいじゃないの?」
「んん? なに?」
「舜にいって呼ばないの?」
どきっ。小さな子は思いついたことをすぐに口に出す。
毎日一緒に登校して、たまの放課後に遊んでいる仲なのに、いまだに苗字呼びだった。
純粋さに茅野はぷっと吹き出した。
「何でだろうなぁ。舜って呼んで欲しいな。お願い?」
──ずるい……ずるいぞ。舞ちゃんと悟君を盾にするなんて……!
ひょいと舞を抱き上げて、胡座をかいた足の上へ乗せる。
何でだろうなぁ、なんて白々しく独り言を呟きながら、顔はじっと夕里のほうを向いていた。
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