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* Sweet.2 *
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「意外と草食なのねぇ。今の男子ってそういう感じなのかしら。あ、夕里君。いつか彼女がお料理をつくってくれたら、たくさん褒めてあげてね。まめな男子ほどモテるのよ」
アドバイスを夕里は苦笑いで聞き流す。
恋愛の話に沈黙する夕里を気遣ってなのか、直美は大好物ばかりを皿によそってくれた。
海藻とレンコンのサラダ、素揚げした野菜と鶏つくねに甘酸っぱい餡をかけたもの、定番の唐揚げやポテトもある。
極度の甘党だった頃は、一切食欲をくすぐられなかったのに、今では満腹なのを忘れてしまうくらい、食べ過ぎてしまう。
茅野が張り合って夕里の皿に、また違うものをお勧めとして盛ってくる。
「俺そんなに食べられないかも」
「夕里、小さいままだからもっと食べな」
春先に測った身長が1センチしか伸びていなかったことをいじられて、夕里は立腹する。
いつも顔より大きなパンケーキをぺろりと軽く平らげているところを見られているから、身体のわりには大食漢とでも思われていそうだ。
──あれは……甘いものは別腹っていうか、生クリームは飲みものっていうか……。
胃の中に落としても一向に減らない料理に、軽く胸やけしてきた。
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