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* Sweet.2 *
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ふふん、と連が得意げに笑うから、夕里もつられて笑う。
「おとーさんお帰りなさい! 海の匂いする!」
「お魚いっぱい取れた!? あのね、今日夕にい来てるんだよっ」
舞と悟に両手を取られて、茅野のお父さんが顔を出す。
どこか潮の匂いがして、ノスタルジックな気持ちになった。
顔と首の皮膚がほんの少し焼けている。
「こんばんは、夕里君。いつもうちの舜がお世話になってるね」
背丈は茅野よりちょっと高いくらい、九重家の父と同じくらいなら年齢は五十歳だ。
料理人といえば、白髪の混じった頑固そうな親父のイメージだったが、夕里のよく知る人物に面影を残した、目の前のすらりとした男性に、想像を払拭される。
──い、イケメン……イケメンだ!
つい叫びそうになってしまった。
茅野家の血筋は皆成長すると、美男美女になるのだろうか。
味が出てきた数十年キャリアの俳優みたい。
まともな例えが思いつかないまま、夕里は差し出された手と握手を交わした。
……────。
「なあなあ! 舜のお父さん格好よ過ぎないか!? 昔何かやってたの!?」
「何か、って。うちはずっとお弁当屋だよ」
茅野は苦笑して、濡れた皿を手渡す。ごちそうさまの後は、皆でお片付けの時間だ。
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