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いち
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「で、どんな子なの?」
どうして?
どうして俺はこんなに笑顔でいられるんだろう
「実は、バイト先に一個下の後輩が入ってきてて…いや最初の頃はさ!先輩としてお店のこと教えてあげようみたいな気持ちだったんだけどさ、その子、いつも笑顔で、めちゃくちゃ可愛くて…いつの間にか目で追うようになってて…昨日、告白したら"私も好き"って!!!!!マジで奇跡じゃね?!!」
俺の机の前でそう言う彼は、小野雅也(オノ マサヤ)
聞いての通り、昨日、彼女が出来たらしい。
そして、俺の好きなやつ。
「 へぇ、俺も会いたいな。雅也の心を射止めたお姫様」
会ったって傷付くだけなのに。
その子が性格悪い子だったらって嫉妬する。
「嫌だね」
「どうして?」
「今まで俺が好きになったやつはことごとくお前のことが好きだったんだよ!!!あの子まで俺を捨てたら俺生きていけないよ」
_そりゃお前に好意を持ってる女なんて全員俺に惚れさせたし。
てか、捨てられたらって何?
俺は絶対捨てないのに。
その子が居なくたって俺がいればいいじゃん。
ねぇ、そう言ってよ。
「……大丈夫だよ、雅也のことが好きなんでしょ?その子は。なら大丈夫だよ」
ありもしないことを頭の中でぐるぐる考えたって、それは結局妄想でしかないのに。
「えぇ〜……じゃあ明日!店来たら見せる」
「了解、空けとく」
都合よく話が終わったタイミングでチャイムが鳴り、雅也は自分の席へと戻っていった。
勉強したいのに、頭は彼女のことでいっぱいでリフレッシュの為に1粒、チョコレートを頬張った。
「………………にが」
そのチョコレートはいつにも増して苦かった。
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