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じゅういち
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「類〜おはよ、昨日どうだった?」
結局あの後、相沢さんから返信は来ないまま。
教室ではどうせイチャついてたんだろとでも言いたげな海斗から声をかけられた。
「別に、普通の会話だけだよ」
「えー!面白くな」
正直相沢さんの事を聞かれても大したことは言えないんだから聞かないで欲しい。
「なになに?どうした?」
その時、急に雅也が会話に入ってきた。
「ん?あぁこいつ相沢さんと大した会話してねぇんだってよ。ったく俺が折角連絡先あげたのに」
ちょ!なんで雅也にそんな話すんだよ…
「えー類、ちゃんと連絡は取らないとダメだぞ?女の子ってすぐ不安になるってネットに書いてたぞ」
「…そ、でも雅也に関係ないから」
こんな態度、したくないのに。
嫌われたくない、雅也、嫌わないで。
お願い、雅也だけでいいんだ。
お前さえいてくれたら俺はほかに何もいらない。
別れろって一言言ってくれたら別れるのに。
だから俺にも別れてって言う権利を頂戴。
俺だけの雅也で居てよ…
「何その態度、最近お前冷たくね」
「別に、普通でしょ」
「…チッ、やっぱお前今日見に来んな。気分悪ぃ」
_ あぁ、終わった。
もう完璧嫌われた。
どんなに辛いことだろうと雅也が居てくれたら頑張れるのに。
その人がいなくなってしまった。
俺は…俺は…
「…類?最近お前らどうしたの。めっちゃ雰囲気悪いけど」
海斗が心配そうに覗き込む。
そっか、そんな険悪な雰囲気出てたのか、
「…何でだろうな。俺にもわかんね」
どうして、こんな簡単に崩れ去ってしまう。
いつも見つめる雅也の背中が今日はより遠く感じた。
==
もう雅也には嫌われたんだし、相沢さんと別れるか…
_まだスクロールもできないほど少ない俺たちのキャッチボールは、身勝手な言葉で終わった。
【ごめん、別れよう】
とことん最低なヤツだな、俺は。
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