アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
にじゅうはち
-
「おーい類?早く戻ろーぜ」
「ああ」
俺が、あんな馬鹿なことをしていた間に授業は残り5分を切っていて周りの皆はもう片付けに入っていたから俺も急いで片付けて、ついさっきチャイムがなったばかりだ。
「…んで、雅也とはどうなの」ボソ
海斗、雅也と一緒に教室へ戻っている最中にそう聞かれた。
そういえば要らぬ心配をかけさせてしまっていた、と思いもう大丈夫だと返した。
「ん、海斗!類!置いてくぞ!」
ゆっくり歩いていた俺と海斗を前の方から雅也が呼びかける。
ちらりと海斗と目を見合わせて、
くすっと笑って、
早歩きでまた雅也の隣を歩き始める。
あんなに苦しかった雅也の隣が、もう気負うことなく歩けるんだと思うと心が軽くなる。
「なぁ、今日彼女見に行くから」
あんなに嫌だったことも頑張れる。
「おう!後でシフト送るから終わりぐらいに来てくれたら会えると思う」
「え、なになに俺も会いたいんだけど」
雅也と2人で話していると海斗が会話に入ってきた。
今更ながらに良い友達をもったと思う。
==
「楽しみだな〜!類もだろ?」
今は夜、8時。
あの後雅也からのメッセージで8時に終わると送られてきたので雅也のバイト先で海斗と一緒に待っている。
「あぁ」
楽しみでもある、けどまだ少し複雑。
モデルくらい可愛くて美人で、俺が諦めるに相当するような人でありますように。
「お、来たきた」
海斗がそう言う方向へ目を向けると、
雅也と彼女さんが楽しそうに歩きながらこちらへ来ていた。
ちっちゃくて、可愛くて、萌え袖が似合ってて、ふわふわしたミディアムヘアの女の子だった。
「え、雅也の野郎あんな可愛い子GETしてたのか…くそ」
隣で海斗が悔しそうにそう呟いていた。
あぁ、本当、可愛い子だな。
雅也には勿体ないくらいだよ。
「よ!あ、美琴(ミコト)こいつらは俺の友達で…」
「安逹類です」
「山之内海斗でーす」
「初めまして!雅也さんと付き合ってます、花崎(ハナサキ)美琴です」
「ねぇ、美琴ちゃん雅也なんてやめて俺にしない?」
海斗が悪ふざけでそう言うと、
「えぇ?!!で、でも、ごめんなさい私雅也さんが好きなので…」
そう、頬を赤らめながら言う。
…あぁ、きっとこの子は違う。
雅也に近づいたと思えば、俺に告白してきた奴らとは。
簡単にころっと俺に変えるような奴らとは。
この子なら、安心。
この子なら、任せられる。
この子なら、諦められる。
でも
もっと最低な人だったら良かった…
っ、違うだろ、もう諦めるんだよ!
俺は会長が好きで、それは変わらなくて、
雅也を忘れて、会長の好きな人を見つけてくっ付いてもらって、
俺、俺は、
…どうやったら幸せになれるんだろう
「?類、どうした」
自分の世界に入ってしまって全然話が聞こえてなかったら海斗から声をかけられてしまった。
「あ、あぁちょっと眠くて」
「ご、ごめんなさいっ!私たちのせいだよね待っててもらったから…」
「美琴のせいじゃないって!あ、俺、美琴送ってくるから2人ももう帰れな?特に類は」
そう言って2人は駅とは反対方向に進んで行った。
気を使わせてしまった…
「んーじゃあ俺達も帰るか」
「ああ」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
29 / 34