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俺の知らない世界
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side凛
白虎に電話をしてから5分と経たないうちに車が来た。
俺はその間彼があまりにも静かに眠るものだから何回も生きているかを確認していた。
「凛、おまたせ。2人とも寒いだろうからささ。早く車に乗って。」
「わざわざ遅くにすまん。」
挨拶を軽く済ませて車に乗ろうと彼を抱き抱えようとしたが寝たままだが抵抗してきた。
「大丈夫。大丈夫だよ。」
そう彼に優しく告げると抵抗がおさまった。
「その子、随分と凛に懐いたんだね。」
そう言って白虎は僅かに微笑んだ。
懐いた…?
「俺懐かれてるの?こんなに抵抗されたのに?」
そう言うと白虎は先程とか違く悲しそうに笑った。
「俺は医者とかじゃないから詳しくはわかんないけど、その子は日常的に暴力を振るわれてきたんだ。
大の大人に小さい頃から。
その子の指を見てみな、爪が全部剥がされてる。
大人でも耐えられるか耐えられないかの苦痛を味わって来てるってこと。
だからその子の目につく大きい人全員に怯えちゃうんだ…。」
「そうだったんだ…。」
じゃあ彼の心はいつ休まっていたんだろうか…。
彼の心の拠り所はあったんだろうか…。
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