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だいたい、罠は一緒に確認しようと約束していたのだ。
なのに、甲斐くんはしっかりひとりで見たらしい。
アイツ・・・ッ!
それもお仕置き事項のひとつだ。
誰が映っていたとしても、ひとりでは動かない約束もしていた。
罠は、郵便受けに仕掛けた。
ストーカーが様子を見に来た時に、甲斐くんの郵便受けが半開きになっていたら、好奇心で覗くことを想定して仕掛けた。
半開きは半開きでも、中を針金で固定しているから、コツを知らないと開けることは出来ない。
だから何故開かないのか、ストーカーは投入口を覗き込むはずだった。
防犯カメラは4000円程度のWi-Fi対応機種で、甲斐くんが引いているインターネット回線を利用して監視が出来る様にしていた。
きっとそれに引っ掛かった何処ぞの阿呆が、阿呆面を晒したわけだ。
そしてその阿呆面は、松島というらしい。
・・・確か、遠野消化器内科の事務長って言ってたな。
なーにが、安心してねじゃボケェ!
拳でグリグリ頭皮を虐めてやらなければ、気がおさまらない状態だ。
ジジィめ、甲斐くんに何かしてたら、ブッ倒してやる!
「お客さん、このまま街道を抜けても良いですか?」
「早く到着するなら、どこを通って頂いても構いません。」
本当に、どうでもいいのだ。
早く到着して、早く甲斐くんを回収できたらそれで良い。
ついでに松島をブッ飛ばせれば、なおGOODだ。
消化器が専門の病院だったはず。
消化器内科、消化器内科・・・。
誰か知り合いが居なかったろうか。
徹底的に抑えておかねば、ストーキングは再発する。
社会的に制裁を与えなければ気が済まなかった。
甲斐くん、甲斐くん。
ボケ太郎の甲斐くん。
こんな無鉄砲だと思っていなかったのは、ひとえに付き合っている期間の短さが要因だろう。
絶対、泣かす。
絶対に、躾ける!
甲斐くんも知らないだろう。
俺は怒ったら恐いんだ。
ひとりで向かった事を、絶対に後悔させてみせる!
山野の携帯には、甲斐の笑顔の写真が表示されていた。
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