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コンビニを出た犯人は、甲斐くんのいるアパートへと戻って行った。
・・・郵便受けを見てる。
開けようとするのであれば、その行動を記録に残す。
中からの映像は仕掛けた罠で事足りるが、全体像も念のため捉えた方がいいだろう。
ただ、写真にしろ動画にしろ、録画を開始と音が出る。
少し離れてから起動させる必要があった。
・・・離れるのは、得策だろうか。
諦めた。
離れている間に郵便受けを閉じたら、結局は意味がない。
それなら、この目に焼き付けてやろうと思った。
・・・流石に昼間は犯行に及ばないか。
ふらふらと階段をのぼっていく後ろ姿を確認しながら、俺は背後を確認した。
キーパーソンは、俺の視線を受け止めて頷いた。
準備が完了した様子に、俺も静かに頷いた。
・・・甲斐くん、大丈夫だから。
必ず、守ってみせる。
「お疲れ様です。」
扉を開ける音と、甲斐くんの声が聞こえた。
やっぱり知り合いか。
つまり、身近に犯人がいたという話なだけだ。
甲斐くんは辛いだろうが、ここはしっかりと押さえる必要がある。
異変が起きるまで、斎藤先生には悪いが一時間でも二時間でも待つつもりだ。
足音を立てないように気をつけながら、階段をのぼっていく。そして、甲斐くんの部屋の扉に背中をつけた。
台所の窓が、僅かに開いている。
中の様子はいつでも窺えることに、山野は胸を撫で下ろした。
・・・良かった、俺がついて来ているとちゃんと分かってくれている。
何があっても、甲斐くんは守るから。
大丈夫だから、きちんと相手の話を聞くんだ。
必ず助けるからね。
そうして聞こえた悲鳴に部屋へ飛び込んだ山野は、ビニール紐の蜘蛛の糸に巻きついたまま のたうち回る犯人を目にすることになる。
「・・・え。」
「ごめんなさい、富永さん!!」
・・・ええ?!
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