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「清水さん、どうして・・・?」
清水さんには迷惑を掛けないよう、ギリギリまで連絡しないつもりでいた。
だから、俺は電話は掛けていない。
「恭子が連絡くれたんだ。ストーカーが現れたんだって?」
「え、ええ・・・。」
誰のことを言っているんだろうか。
松島、富永氏、メガネ?
今頃、メガネと遭遇しているだろうが、よほど近くにいないとすぐすぐにはやって来れないだろう。
「その、ストーカーはですね。」
松島は恐らく自宅に帰った。
富永さんとメガネについていえば、甲斐くんのアパートだ。
「いや、いいよ。実際に会わないと余計な先入観が入り込んでしまう。」
さらりと言った清水さんを、甲斐くんのアパートへ促した。
「一階の様子を見てから、部屋に上がることにします。」
「分かりました。先に甲斐くんの様子を見てきます。」
清水さんは、現場の確認をしたいのだと思う。
ストーカーじゃなくて、ストーカーもどきの犯人だから、多分現場の確認なんてしなくてもいいのかもしれないけれど・・・。
軽く頭を下げてから、俺は甲斐くんの部屋へ急いだ。
甲斐くんの部屋の扉は開けっ放しなのが目に入ったからだ。
「甲斐くん!メガネは・・・。」
メガネは白状したのか、と言いたかった言葉は口から出てくる事はなかった。
甲斐くんのベッドの上で、力士がメガネを押さえ込んでキスしようとしているし、山中さんはクローゼットに頭を突っ込んでいる。
寺田さんは冷蔵庫の前で四つん這いになっているし、全く状況が分からない。
分からないけれど。
俺は呆然とした甲斐くんを、そっと背後から抱き寄せることで、この衝撃に耐えたのだった。
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