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翌朝。
つまり、復讐を遂げる日曜日。
俺は、タクシーを飛ばして病院へと戻っていた。
昨日の救急搬送された患者の様子を確認するためだ。
当番医に任せたら良いのかもしれないが、やはり自分が手術した患者は気になる。
気になっている状態で、心ゆくまで復讐は出来ない。
まあ、復讐復讐繰り返せば感じが悪いが、英語で言うならリトライという感じだろうか。
リベンジの本来の意味ではなく、再挑戦という意味合いがしっくりくる。
つまり、もうしっかりずっぷり!甲斐くんとセックスしてやると、めちゃくちゃ意気込んでいるわけだ。
考えてもみてくれ。
昨日はどれだけ甲斐くんに振り回されたことか!
しかも、突っ込んだ状態のまま、スヤァァと心底幸せそうによだれ垂らした顔で寝られた日には、男としての沽券に関わるのだ。
とはいえ、自分も悪かったと自覚がある。
そんなわけで、すやすやと寝息をたてる恋人を寝かせたまま、自分はさっさと仕事に出てきたというわけだ。
「あら、山野先生。」
「中村先生、おはようございます。」
泌尿器科の中村先生が、すれ違いざま、爽やかな笑顔で声をかけてくれた。
「おはようございます。良い朝ですね。」
「ええ、秋晴れの清々しい天気です。」
常に目やにたっぷりの外科医の挨拶としては、おかしいかもしれないが、甲斐くんと付き合いだして、世界が輝いて見えるようになった。
空の青さ、秋風の匂い、病院の敷地内に咲く雑草でさえ、美しく見える。
あ、そういえば。
ゴソゴソとポケットを探った。
たしか、甲斐くんが行きたがっていたライブのチケット、昨日が発売日だったんじゃなかったっけ。
スマホでチェックすると、まだ席が残っていた。
武道館か。
俺も久しく行ってないし、クリスマスの埋め合わせでデートするのも良いかもしれない。
コンビニで受け取るようにして、画面を閉じた。
さて、と。
俺は、術後観察すべく、足早に患者の元へと向かった。
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