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不機嫌
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神屋がものすごく不機嫌オーラを出して俺を見ている。すんごい形相してるよ、神屋くん、顔歪んじゃうよ。筋肉攣るよ。
「…何か用」
語尾に?マークも付けずに聞いてきました。不機嫌だねー。そりゃそうだわな、昨日あんだけおちょくられて嫌いって言って突き放した相手が目の前にいるんだもんな。で、俺が今から言う言葉もなんとなく予想ついてるんだろうな。
「一緒にかえ「やだ」」
…遮られました。
うん、めげない。スタスタ帰っていく神屋の後をついていく。周りが、俺と神屋のことを痛いほど見ていた。
自分でも、俺が結構噂されてるのは知ってる。良い意味でも、悪い意味でも。そんな俺と、あの誰とも話さない1匹狼の神屋が喋って、あげく一緒に帰ってるんだから、そりゃビックリするわな。
ずっと神屋の後をついていく。ずっと、ずっと。神屋が足を速めたら、俺も足を速める。逆に遅くなると、俺も遅くなる。なんか楽しいなこれ、ゲームみたい。
神屋はそんな俺が気に入らないのか、ずっと無言だ。ただひたすら足を動かしている。
「…ねえ」
神屋がいきなり足を止めて、振り返る。その表情といったら、まあ、むすっとしてますよね。あーあ、そんな眉間に皺寄せちゃって。顔歪むぞって。
「どこまでついてくるわけ」
「家まで」
淡々と返事をすると、さらに神屋の眉間に皺が寄る。あー、ほんっと面白いなこいつ。
「そろそろ本気で鬱陶しいんだけど」
「へー、昨日助けてもらったやつにそんなこと言っちゃうの神屋くん、へーーーー。へえええええええええ」
「だからそれはほんとに感謝してるって」
ほお。感謝してくれてるんだ、へえ。そうだな、昨日何回かお礼言われたもんな。特に1回目とか半泣きで。あん時は可愛かったんだけどなー、もうそんな可愛さ微塵もないよ?神屋くん。
でも、そんな顔も、次第に何故か悲しそうな顔に変わっていった。
え、なんで?
もしかしていじりすぎた??
ごめん言いすぎた、と謝ろうとした時に神屋の口が動いた。
「あんまり俺に関わらないでよ」
その声はか細く、絞り出すようだった。
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