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    完結
  • 概要

       『影蜥蜴の報告』あらすじ

     少年が窃盗を働いている所を目撃してしまった三十路男の萌黄海。その光景に嫌気が差したのだが、人道を説く気概までは起こらずに立ち去ろうとした時、すばしっこい黒い影が少年の元に戻っていくのを見てしまう。
     はっきりとしない物事を明確にしたいという好奇心を満たすべく、萌黄は少年の後をつけると、郊外の橋の下まで来た所で、突然後方から男性に声を掛けられた。
     その男は緑青山葵と言い、少年と面識があるようだった。話を聞くと、山葵は少年を慰める為の物語をでっちあげ、その話を真に受けた少年は蜥蜴を食べて蜥蜴を生んでしまったようで、それが先程見掛けた足の速い影の正体だった。
     年端のいかない少年が盗みを働く心境に思いを巡らせた萌黄は彼の心の中に淋しさがあるのではないかと推測する。
     再びテントを訪れ、少年と近付こうとしたのだが、生憎の不在だったようで知らぬ間に蜥蜴を背中に貼り付けたまま帰宅してしまう。
     萌黄に潜んだ蜥蜴の居場所を少年はGPSのように探知し、共に帰宅する為に萌黄の家へと侵入する。それまで狸寝入りをしていた萌黄は少年の不法侵入の罪を責め立てることもなく、ただ彼の話に耳を傾け「自分には友達がいないのだから、良ければ付き合ってくれないだろか」と口を開いた。
     それ以降二人は気が置けない間柄になり、少年はテント暮らしを始めることになった家族とのいびつな関係について語り始める。それを受けた萌黄は学問を基盤に他人の為に能動的になるのが仕事であり、それが自分に心とお金を与えてくれる。その為に今は勉強に励むこと。その先で両親を再び見つめ直し、その後の行動を君が判断するようにと説く。
     その後、少年は自らの意思で両親の元に戻った。再会した時、自分を救った恩人となったことが最強の引き金となり、少年は萌黄に対する淡い恋心を打ち明けるのであった。

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