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grmy
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死ネタ
カリバニズム(?)
めいちゃん視点
途中からGero視点
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「なぁめいちゃん」
何も無い休日。理由もなくげろさんの部屋に転がり込んでダラダラ過ごしていた。嫌な顔ひとつせずに招き入れてくれたげろさんは家事の途中でキッチンで洗い物をしている。ただ水が勢いよく流れる音と皿と皿がぶつかり合う音しかしなかった部屋で心地のいい声が飛んでくる。
少し間を開けてどうしたんですか?なんて言いながらげろさんに視線を向ける。
「俺、めいちゃんの事めっちゃ好き。」
突然のことすぎて思わず笑っちゃう。けれど満更でもなくて。照れ隠しみたいに視線を携帯へと戻した。
「どうしたんですか?突然」
「…殺したくてたまらへんねん。めいちゃんのこと…、好きになってからずっと」
薄く笑っていた声も喉が閉まって一瞬で止まった。視線は携帯の少し上に上がってそのまま停止してしまう。頭の整理が追いつかなくて、なんで?とか、そんな言葉も出すことが出来なかった。
「ごめんなこんな意味わからんこと…嫌やろ…憧れてくれてるって言ってんのに、こんなん思ってんの…引いてまうよな…」
「そうでもないですよ」
視線がずっと手元だったげろさんの頭がパッと上に上がったのが横目でわかった。
殺したいなんて言われた俺の口角は上がりっぱなしだった。
「…俺も、あなたに殺されたいです。好きになった時からずっと」
あえてげろさんの方は向かないがげろさんは俺を抱きしめた。肩をぎゅっと抱いてくれる手は力が入りすぎてなのか、はたまた別の理由なのか震えていた。
ソファーに座っていた俺をそっと寝かせてその上に覆いかぶさる。綺麗な手は軽く俺の首に巻かれている状態。まだ手は震えている。げろさんの表情はずっと苦しそうで今にも泣き出してしまいそうだった。
「そんな顔しないでくださいよ。俺幸せですよ」
げろさんはずっと「ごめん」しかいわなかった。
「げろさん。一つだけお願い聞いてくれますか?」
「俺が死んだら俺の身体、食べてください。」
美味しいかどうかは保証しませんけど。
目を見開いたげろさんは吹っ切れたのか表情が晴れていた。げろさんは優しいから「いいよ」って首を縦に振ってくれた。
「お残しは許しまへんで」
「当たり前やわ。骨しゃぶりついたる」
「言いましたね?」
「任せろ」
軽く笑いあってからもう一度目を合わす。
「げろさん、最後のお願い聞いてください」
「…なんや?」
「愛してるって、言ってください」
げろさんはお願いした通り視界が真っ暗になるまで「愛してる」と言ってくれた。幸せで満たされたまま俺はげろさんに身を預けた。
「げろさーん他に何かあてないんですかあ!!」
「なあんもねえよ!!!」
冷蔵庫を除きながらバカでかい声を上げると一緒に飲んでいた同じ業界のつれがずかずかと向かってきては冷蔵庫の中をまさぐった。酔っ払っているからもうそんなことで怒ったりする余裕が無い。
「あ!めちゃめちゃ良さそうな肉あるじゃないすか!!焼いて食いましょうよ!!!」
冷蔵庫だけにとどまらず冷凍庫まで開けていたことに今気がついてばっと目の前に差し出されたのは特大の肉。これを「食いましょ食いましょ」と解凍し始めるそいつの肩を掴んで肉を没収する。
「何するんすか!食べさせてくださいよ!!」
「いや、あれはあかん」
「なんでっすか!!」
「あかんゆーてるやろ戻れ」
ただの酔っ払ったおっさんの声が一気に落ちたからかビクッと肩が揺れて大人しく席に戻って行
った。
「お邪魔しました!!また飲みましょうね!!」
久しぶりに人と飲んでこんなに酔っ払った俺はもう帰ると言った友人たちを見送ってから小腹がすいて冷凍庫を開ける。さっきの特大のお肉を解凍して食べる分だけ切ってまた冷凍庫に戻した。
真っ赤な筋肉が詰まった肉をフライパンでいい音を出しながら焼いていく。味付けは一切無し。ちょっと良さげなお皿に盛り付けて、冷蔵庫からキンキンに冷えた彼の大好きな酒を取り出しリビングのソファーで黙々と食べる。
俺はこの時間が大好きだ。
最愛の彼とひとつになっていく感覚に興奮さえ覚えた。
愛の形はひとつではない。
もしこれが歪んでいるというのであれば、これが俺たちの愛の形だ。
「美味しいよ、めいちゃん」
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