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幻であれと願っても < Side 尾憑
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そろそろ鳳茉の発情期だ。
出来れば家を空けたくない。
だが、政府からの呼び出しとなれば、俺は行かないわけにはいかない。
俺は改革派の人間で、政府の中枢に潜り込んだ上流階級のα。
政府から見れば、裏切り者だ。
蜂起の時は着々と近づいている。
でも今はまだ、反逆の時じゃない。
政府に目をつけられるわけには、いかない。
「ただい……ま…」
玄関まで臭う、淫靡な空気に顔を歪めた。
刺々しさを纏うΩのフェロモンの匂いが鼻を衝く。
普段の甘やかな鳳茉の香とは、似て非なるもの。
発情期であろうコトは間違いないが、それ以上に、嫌な気配が俺を覆う。
焦りリビングへと足を進めた。
瞳に飛び込むその情景を消し去りたい。
夢だったのだと、目覚めたい。
思ったところで、俺の願いは砕け散る。
鳳茉のあられもない嬌声に、俺の都合のいい考えは、打ち払われた。
「ん………はっ、ぁ………ぁあ……」
スラックスのそこだけが寛げられた時庫の肩に両手をつき、いやらしく腰をくねらせ、揺らぐ裸体の鳳茉。
首輪のみをつけた鳳茉の細い腰を柔らかく掴む時庫の手。
大胆に膝を開き身体を上下させる鳳茉と、疲れたようにソファーに座る時庫は繋がっている。
時庫の赤黒いそれが深々と、鳳茉のそこに挿し込まれているのが、嫌でも目に映る。
気配を感じ取った時庫が、鳳茉越しに俺へと瞳を向けた。
俺の存在に気づいた時庫に、悪びれる様子など微塵もない。
俺に瞳を据えながらも、中断する気などさらさらないというように、鳳茉の尻をねっとりと撫で回す。
「こんないいもの独り占めとか……、羨ましい限りですね」
わざとに鳳茉の尻たぶを左右に開き、結合部を俺に見せつけるように、くいっくいっと小さく腰を跳ね上げる。
「ぁ、あ……もっ、…とぉ…」
時庫へと抱きついた鳳茉の身体が快感に震える。
とろりと蕩けた甘い声が、時庫へと向かうその音が、俺の胸を掻き毟る。
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