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でも違うのだ。あの夜から、希は繰り返し奎吾とのキスを思い出した。やつに触れられることを想像して、何度もイったりした。最初は、奎吾のゴッドハンドに参っているからだと思い込もうとした。でも本当にそうなのだろうか。
ーー柏木……。
ふいに、奎吾の声が甦り、希はじわっと頬を熱くする。そのようすを、金井がじっと見ていることにも気づかない。
「相手は誰だ」
「相手って?」
「だからお前が抜いた相手だよ! おかしいだろ! お前ずっとストレートだったのに!」
「金井!」
元もとの言い出しっぺは希だが、そう何度も言われるとひどく恥ずかしい。ふてくされたようにお前の知らないやつだと希が答えても、金井は納得しなかった。それで仕方なく、希は奎吾と会ってからこれまでの話をした。もちろん明のことはボカしてなので、金井は腑に落ちない顔をしていたが、少し前にキスをしてから自分は変なのだと希が告げると、苦虫を噛み潰したような顔をした。
「いやでもさ、そいつの手があまりに気持ちいいから、俺が誤解をしているだけなのかも……」
真っ赤な顔で、希は言い訳をするようにごにょごにょと呟いた。金井は低く唸り声を上げた。
「か、金井……?」
「天国のマッサージか……」
まるで親の敵をとるような目で金井が考え込むから、希は心配になった。大丈夫か? という希の声も耳には入っていないようすだ。
自分が初めて明のことを知ったときにショックを受けたように、やっぱり男同士というのはそんなにもおかしいのだろうか。
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