アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第二話「推しの押しが強い」④
-
「立川、ちょっと来い」
「……はい」
次の日。
吉備さん効果か二日酔いは一日で良くなり、今日は普通に出勤できた。いつもより早く出社して、昨日の分の仕事を片付け、もうすぐ昼休みになるという頃だった。
珍しく話しかけてきた同じ部署の先輩に、困惑しながらも返事をする。今日はいつもよりかなり気をつかって目立たないようにしているのに、何故か睨まれた。
もしかして、昨日吉備さんと二人して会社を休んだから、理由を問い詰められるのか……?
会社に休みの連絡を入れたの吉備さんだし、たぶん噂になってる。
不安な気持ちになりながら、どこかへと向かうその人にイスから立ち上がってついて行った。
内心、浮かれていた。
ここ数日、幸せ過ぎて、気が緩んでいたんだと思う。
自分がオメガであること、服従させられる側の人間であるということを、いつの間にか忘れてしまっていた。
「ん゛ッ…ぅぐ…!」
口にされたガムテープが、動くたびに頬を引っ張り痛みが走る。自分のネクタイで視界を奪われ、周りを囲む男たちの動きがわからなかった。
「くそッ! オメガのくせに抵抗してんじゃねぇぞ!」
「ん゛う゛ッ!」
言いながら男にみぞおちを蹴られる。受け身を取ることもできず、お腹から全身に広がる激痛にうめき声を上げた。
普段滅多に使わない倉庫が近づくにつれ、嫌な予感はしていた。進む先に知らない社員が立っているのが見え、すぐに足を止めたけれど、同時に先輩に腕を掴まれた。
ニヤッと嫌な笑みを浮かべたその顔を咄嗟にぶん殴った。当然、逃げようとしたけど複数には勝てなくて、あっという間に倉庫の中に引きずり込まれた。
後ろで手首にガムテープを巻かれ、仰向けに転がされる。自分の体重が両手にかかって痛い。何とか引きちぎれないかと手首を動かしてみても、何重にも巻かれたそれはビクともしなかった。
「マジでヤんの?」
知らない声が上から聞こえる。
「お前が萎えるって言うから顔隠したんだろ。今さら文句言うなよ」
身体をよじって床を這う。幸い足は自由で、立ち上がることさえ出来れば全員蹴り殺して逃げるくらいの気持ちだった。
「だってコイツくそ生意気じゃん。オメガって言ったって愛嬌なきゃ無理」
「いや、意外とそそる顔してるって! 俺全然勃つわ。泣かせてぐちゃぐちゃにしてぇ〜」
たぶん声からして男が三人いる。
目隠しをされる前に見えた顔には見覚えがなかった。だから、三人ともベータだと思う。ろくに話したこともないベータが俺に何の用かと思ったが、呆気なくその理由は明かされた。
「時間なくなるぞ。ちゃんとやらないと、デートの約束取り消されちまう」
「そんなこと言ったって、絶対あの子たち吉備信者じゃん。どっちにしろお前に望みないって」
「うるせぇなー!」
楽しそうに盛り上がる声に、恐怖よりも馬鹿らしさが募っていく。
つまり、あれだ。
コイツらは吉備さん狙いのガチ恋勢に頼まれて、俺に身の程をわきまえさせに来たわけだ。
……仕方ない。
ここのところ、ずっと吉備さん俺に話しかけてきてたし。挙句、昨日は二人して会社を休んでしまった。
オメガである自分が吉備さんの近くにいるのは、きっと他の人からしたら面白くない。劣等なオメガなんかが、気安く近づいていい人ではないのだから。
……もういいか。面倒臭い。
逃げようとしていた気持ちがスッとなくなっていく。別に処女ではないし。大人しくヤられて解放される方が、これ以上怪我をしないで済みそうだ。
「ん゛、ン゛ッ…ぅ゛……」
乱暴にズボンと下着を脱がされ、少し慣らしただけのソコに固いモノが宛てがわれる。
あぁ、でもどうせ犯されるなら……吉備さんにが良かったな……。
「ン゛う゛ッ…!」
下腹部から駆け上がってくる強烈な痛みに、嫌でも涙が出た。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 30