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第二話「推しの押しが強い」⑨
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「ッ…だめだよ、そんなこと軽々しく言ったら」
ドクッとナカで吉備さんのモノが大きくなった気がした。打ち付けられる腰の動きが早まって、込み上げる快感に息が短くなっていく。
「ぁ、ッは、あ゛ぅ…はッ……」
気持ちいい。欲しい。ナカに欲しい。
この人を俺のモノにしたい。
「ぁあ゛、…ぅく゛ッ……イく! イく…!」
ぎゅうっと吉備さんの身体を抱きしめ、ねだるようにナカを締め付けた。
まじでッ…ゴム……邪魔だッ……!
上手く働かない頭で、そんなことばかり考えて眉間にシワを寄せる。
今にも達しそうで、腰がビクビクと痙攣した。
「はぁッ……」
吉備さんが足から手を離し、その手を俺の後頭部にまわす。グッと抱き寄せられ、目の前に吉備さんの肩が近づいた。
そこにあごを乗せると、吉備さんの汗の匂いがして頭がぼーっとした。無意識にその肩に唇を寄せる。
「ッ……」
ガブガブと甘噛みをしながら、吉備さんの肌の感触と汗の匂いを味わう。ビクッと吉備さんの身体が跳ね、同時に前立腺をゴリッと深く抉られた。
「あ゛ッ、ぅぐ……ん゛んッ…!」
強烈な快感が駆け抜けて、思わず肩に歯を立てる。ブチッと皮膚の破れる感覚がして、口の中に微かに血の味が広がった。同時に、勢いよく精液が吹き出して、ボタボタと二人のお腹を汚していく。
「な、んでッ…やだぁ……」
絶頂に合わせてキツくナカを締め付けると、吉備さんがズルッと性器を引き抜いた。その感覚に思わず肩から口を離し、責めるように吉備さんを見上げる。
「はッ……」
短く息を吐きながら、吉備さんが身体を起こして手早くゴムを外す。自分の性器を数回、手で擦り俺のお腹の上に熱を吐き出した。ドロドロと濃いソレが、お腹の上で俺の精液と混ざり合う。
「ぅ…ぁ゛……」
べそべそと泣きながら、達した余韻にぐったりと四肢をベッドに投げ出す。
「はぁ……はぁ……」
何度も呼吸を繰り返して息を整えた吉備さんは、俺から離れて部屋を出ていった。その背中を呆然と見送りながら、強烈な喪失感に襲われる。
「う゛…ぁ……」
これ……コレが中に欲しかったのに……。
自分のお腹の上のモノをそっと指ですくい上げる。まだ温かいソレをドロドロと指先でかき混ぜた。
これで、最後だったのに……。
もう吉備さんには触れない。この部屋を出たら、吉備さんとは距離を置くことになる。
込み上げる涙が目尻を伝い、俺の気持ちと連動しているみたいに、性器を抜かれた後孔が寂しそうにパクパクと動いた。
「…………」
だんだんと冷えていくお腹の上のモノが、勿体なく思える。せっかく吉備さんが俺でイってくれたのに、俺の身体の中には一滴だって入っていない。
無意識に手を口元へ運ぶ。指先の白いモノが唇に触れる寸前、その手を横から掴まれた。
「あっ……」
グイッとタオルで指先を拭われる。続けてお腹の上のモノも丁寧に拭き取られ、惜しむような声が漏れた。
見上げた先で、タオルを手に持った吉備さんと目が合う。邪魔されたのにムッとして、知らないうちにその顔を睨んだ。
「そんな可愛い顔してもダメ」
「ッ……!」
意地悪な笑みを浮かべながら、温かいタオルに頬を撫でられる。その瞬間、一気に我に返ってぶわぁっと顔が熱くなった。
やば、俺……今なにしようとしてたッ……?
吉備さんの手に丁寧に全身を拭われながら、ついさっきまでの自分の痴態を思い出して恥ずかしさに固まってしまう。
無意識とはいえ、とんでもない発言もした気がする。
あわあわと動揺している間に、吉備さんは俺の身体を簡単に清めてくれた。
ズボンだけを身につけた格好で、吉備さんがベッドに腰かける。カチカチとライターの音が聞こえ、ようやく顔をあげて吉備さんを見た。
「ふぅ……」
乱れた髪をかき上げながら、吉備さんが煙を吐き出す。口に咥えたタバコから赤い火種が見えて、吉備さんの瞳の色と似ていると思った。
宝石みたいに透き通った綺麗な赤い目。
学生時代も会社でも、赤はオメガを表す色だったからずっと苦手だった。でも、吉備さんに出会ってからは、一番好きな色になった。
そんなことを考えているとまた泣きそうになってきて、ぐっと唇を噛む。
もう泣かない。最後くらい吉備さんと笑って過ごしたい。
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