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第三話「推しが好き過ぎてつらい」④
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「だめッ、ア、やだッ…」
「5」
なんとかしてイかないように、肩を掴んでいた手を離して自分の性器を掴む。根元をグッと押さえ込んで、圧迫感と苦しさに眉間にシワを寄せた。そんな俺をルール違反だと怒ることもなく、きびちゃんは面白そうに笑って見てくる。
「ン、ふッ…ぐぅ…」
「4」
突然、腰の勢いが強くなる。さっきよりも深いところを抉られて、のけ反った背中が壁を擦った。
「はッう…!」
「3」
「あッ、あ゛、まってッ…まってッ!!」
泣きながら叫んだけど、きびちゃんはわざと俺のイイトコロばかりを狙って、パンッパンッと腰を叩きつける。
「2」
「やだッ…やだ、やだッ!」
ちゃんと根元を押さえているはずなのに、こみ上げてくる絶頂感にイヤイヤと首を振った。
「1」
「んあ゛ッ──」
きびちゃんが数えるのと同時に、身体が強ばってビクビクと激しく痙攣する。ギュッと自分の性器を強く握りしめたまま、ギチギチと後ろを締め付けた。
「……あーあ」
脱力した身体で呆然と荒い息を吐き出く。すぐ近くで呆れたようなきびちゃんの声が聞こえた。
「イかないでって言ったのに、悪い子だね」
「あぅッ」
グリッと腰を動かされ、堪らず嬌声をあげる。達した余韻で白んでいた意識が徐々にハッキリしてきて、急速に後悔と涙が込み上げてきた。
「ぅッ、ぁ……ごめ、なさい…やだ、別れるのやだぁ……」
べそべそと泣きながら、きびちゃんの胸に縋り付く。足を下ろされ、ずっと抜いてもらえなかった性器が抜けていく感覚に唇を震わせた。
苦しくてさっきまでは抜いてほしかったはずなのに、ズルッと抜け出ていく温もりが悲しくて仕方ない。
本当に…? ほんとに別れるの……?
頭の中はパニックで、離れていこうとするきびちゃんの背中に慌てて腕をまわして抱きついた。
「やだ……やだやだ……」
ぐりぐりと胸元に顔を押し付け、みっともなく子どものように泣きすがる。
きびちゃんにたっぷりと注がれた白濁が、内腿をドロドロと伝い落ちていくのがわかった。その感覚すら寂しくて、また目元が熱くなる。
「離して」
「ッ……」
冷たく突き放すような声音に、ビクッと肩が跳ねた。
言うことを聞かないのは怖かったけど、離すのだけは嫌で黙って抱きつく力を強めた。
「なおちゃん」
苛立ったように低い声で名前を呼ばれ、また首を横に振る。
「やだ……」
ボソッと小さい声で言うのがやっとだった。
別れたくない。絶対やだッ……もっと良い子になるから…お願いッ……。
「ぅ…ッ、……ぅ……」
涙が止まらなくて、嗚咽まで漏れはじめた。声が出せなくて、頭の中で何度も許しを乞う。身体がどんどん熱くなり、心臓もうるさくて、背中を掴む指に力を込めた。
どれくらいそうしていたのか、何度もしゃくりあげていると、しばらくしてきびちゃんの手が俺の背中を撫でた。
「なおちゃん、一回離して……?」
さっきの冷たい声とは違って穏やかな声音だった。ボロボロと泣きながら、抱きつく手は離さずにおずおずと顔だけを上げる。
「俺と別れたくないの?」
「……う゛んッ」
見上げた顔は怒っているわけではなかった。涙でぐちゃぐちゃの顔のまま、何度も何度もうなずいてみせる。
「じゃあ……俺と番になる?」
「え……?」
言われた言葉に思わず目を丸くした。
ツガイ……?
ツガイって、“番”……?
発情期のオメガはアルファにうなじを噛まれると、そのアルファと番関係になる。俺ときびちゃんはまだ番ではないけど、発情期を迎えるたびに噛まれたい衝動は確かにあった。
でも、きびちゃんは俺にかかる負担が大きいから、といつも自制してくれていた。
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