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第三話「推しが好き過ぎてつらい」⑥
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「え、こんだけなおちゃん一筋なのに、まだそんなこと思われてるの俺?」
目の前の腰におでこを押し付けて顔を隠していると、きびちゃんの手が俺の耳を指でなぞった。くすぐったくて小さく身じろぐ。
「だって、さっき別れるって言った……」
自分で言っといて泣きそうになる。『別れる』なんて言葉、嘘でも言ってほしくなかった。
「それは……ごめん。嫌がるなおちゃんが可愛かったからつい」
慰めるように頭を撫でられる。その手からプイッと顔を背けた。
「俺は本当にヤダったの…!」
ムッとして言うが、きびちゃんはケロッとして笑みを浮かべる。
「イくの我慢してるの、可愛かったよ」
意地の悪い笑みを浮かべるきびちゃんを下から睨む。けど、あんまり効果はなさそうだった。
「なおちゃん」
怒っていられたのなんて一瞬で、優しい声で名前を呼ばれたら、ムッとした気持ちなんてすぐにどこかへ行ってしまった。
「さっき中ではイっちゃったけど、出すのは我慢出来てたからご褒美あげないとね……?」
涙で赤くなった目元を指先でなぞられ、モジモジと身体をよじる。じわっとお腹の中が熱くなるのがわかった。
「何されたい?」
見下ろしてくるきびちゃんの甘い視線に心臓が高鳴る。
ご褒美……?
突然の提案に、動揺しながらも一生懸命頭を働かせる。
「何でもいいよ、なおちゃんのして欲しいこと」
頭を撫でるきびちゃんの手が気持ちよくて、うっとりと目を閉じた。
俺が……きびちゃんにして欲しいこと……。
今まできびちゃんにされてきた色んな気持ちいいことが、バーッと頭の中をかけていく。その中でも一番きびちゃんにしてほしいことは、案外すぐに思いついた。
「……キス、してほしい」
いざ言葉にするのは少し恥ずかしくて、顔を隠すようにきびちゃんの服のすそを引っ張りながら言う。
「キス?」
きびちゃんが不思議そうに首を傾げた。
「キスでいいの?」
顔を隠したまま、小さくコクリとうなずく。恥ずかしくて耳が熱い。横目でチラッときびちゃんを見ると、優しく微笑んでいて思わずドキッとした。
「おいで」
ぽんぽんと膝を叩かれ、のろのろと重たい身体を起こす。心臓が早くなるのを感じながら、ベッドの上にあぐらをかいたきびちゃんの足の上にまたがり、向かい合うように座った。
きびちゃんはちゃんと服を着ているのに、俺だけ裸だから余計に恥ずかしい。胸元にあるきびちゃんの首に抱きつくように腕をまわした。
「よしよし」
至近距離で向かい合うのが恥ずかしくて、背中を丸めて肩口に顔をうずめる。ギュッと抱きつくと、きびちゃんが後ろ髪を撫でてくれた。温かくてきびちゃんの匂いがいっぱいして、たまらない。
「なおちゃん、お顔見せて?」
子どもに言うみたいな口調で言われ、照れ臭さが込み上げる。おずおずと顔を上げると、にっこりと笑う綺麗な顔がすぐ近くにあって、心臓が壊れそうになった。
「口開けてごらん」
頬に手を添えられ、言われるがままにゆっくりと唇を開く。熱に浮かされて潤んだ瞳で、じっときびちゃんを見つめた。
「ふふ……可愛いね」
スリスリと目元を指で撫でられ、くすぐったくて目を閉じる。身体がきびちゃんに与えられる気持ちいいことを想像して、勝手に震え出した。
「あ、ンッ……」
後頭部を優しく押されて、グチュッと深くキスをされる。熱い舌がねっとりと粘膜を撫でて、上顎をくすぐってきた。
「ン…ッぁ……」
背筋がゾワゾワして、気持ちいい。
きびちゃんの舌が口の中で動くたびに、ビリビリとしたものが腰に伝わって下腹部がどんどん熱くなっていく。きびちゃんの肩を掴み、ぼーっとしていく頭でただただキスを感じた。
きびちゃんの匂い……良い匂い……。きびちゃんが俺にキスしてくれてる。
うれしい……だいすき、だいすき。
頭の中がきびちゃんでいっぱいで幸せだった。
「ン、ふぁ…ッ……」
キスが長くなるにつれて、気づかないうちに腰が揺れる。きびちゃんの服が汚れるのも気づかずに、スリスリとお腹に性器を擦り付けていた。
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