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偶然の再会
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ヒートが過ぎて、やっと落ち着いた頃。
僕は久しぶりに1人で電車に乗って買い物に行く事にした。
心配する太陽や石井先生にスマホを持たされ、何かあったらすぐに連絡するようにいわれた。
「子供じゃないのに…」
僕が苦笑いしていると
「子供とか大人の問題じゃないんだよ!月夜はぼぅっとしてるから…」
と、ため息混じりに太陽に言われてしまった。
僕はこの日、引っ越してからずっと使っていたお茶碗を割ってしまい、新しい食器を買いに2駅先の駅にある大きなアウトレットモールに行く事にしたのだ。
過保護過ぎる太陽と石井先生のせいで、普段、あまり遠出はさせてもらえない。
僕は息抜きに電車に揺られて、1人のショッピングを楽しんでいた。
アウトレットに着くと、僕はお目当ての食器屋さんに行き、自分のお茶碗を選んでいた。
すると話に夢中になっている2人組がぶつかって来て、思わずお茶碗を手から落としてしまった。
(割れちゃう!)
そう思った瞬間、ふわりとコロンの香りがして、僕の落としたお茶碗をコロンの主が素早くキャッチした。
「すみません、ありがとうございます」
笑顔でお礼を言って、相手の顔を見て息を飲んだ。
「き……恭弥……」
2年振りに会った恭弥は、同じ歳とは思えない程に落ち着いていて、見た目も物凄くカッコよくて思わず見蕩れてしまう程だった。
「どうして此処に?」
驚いて呟いた僕の言葉を拒否の言葉と思ったらしく、恭弥は悲しはそうに微笑んで
「会社の取引先に呼ばれてな……。偶然見掛けて、声を掛けるつもりは無かったんだ……。嫌な思いさせて悪かったな」
そう言って僕に背を向けた。
僕は慌てて恭弥のジャケットの背中を掴み
「違う」
必死に絞り出した声に、恭弥が振り向いて疑問の視線を向けた。
「違うんだ。……ずっと、ずっと会いたかった」
涙を浮かべて吐き出した僕に、恭弥は目を見開いて僕の顔を見つめた。
「俺を……憎んで無いのか?」
恭弥の言葉に、僕は首を振って恭弥を見つめる。
恭弥は信じられないという目で僕と見つめ合っていると、辛そうに眉を寄せて僕から視線を逸らし
「分かったから……。手を…離してくれないか?そうじゃないと……」
そう言いかけた恭弥に首を横に振り
「嫌だ…、折角久しぶりに会えたのに…」
僕はそう言って恭弥の背中にしがみついた。
「月夜…」
恭弥はぽつりと呟くと、僕の手を取って
「近くに部屋を取っているんだ。…来るか?」
戸惑い気味にそう言われて、僕は迷わず頷いた。
「お前…分かってるのか?」
恭弥の言葉に、僕は恭弥の手を握り締めた。
すると恭弥も僕の手を握り締めて歩き出した。
アウトレットモールから程近いホテルに入ると、エレベーターに恭弥は胸ポケットからカードキーを出して差し込む。
するとエレベーターに表示されていない階へと進み、エレベーターを下りて廊下の最奥の部屋に恭弥はカードキーを差し込んで中へと招き入れた。
ドアが閉まるのと同時に、僕達は抱き合って唇を重ねる。
服を脱ぐのも焦れったくて、キスをしながら衣類を脱ぎ捨て、縺れるようにベッドに倒れ込み舌を絡ませて貪るように互いを求め合う。
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