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【01 好きだと言わない】1
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【01 好きだと言わない】
「ゆーうーくんっ」
安アパートの隣室が同じ大学の人。まあそんな偶然はたぶん、わりとあることなんじゃないかと俺は思う。これを奇跡だとはしゃぐほど、俺は馬鹿じゃない。ましてや、運命なんて。
「…………なんすか」
「鍋しよ、鍋」
かったる。俺は友達と盛り上がるときは全力出すだけど、家では一人で静かに過ごしたい派だ。音楽を聴いたり、掃除をしたり。ゆっくりしたい。
やたらかまってくる隣人に、そりゃ一個上の先輩だし、最初はすげー気ぃ遣ってた。でもことあるごとに絡んでくるから、うぜーよってなってる今日この頃。つか、けっこう前から。
だから正直うざいっすと話して敬語もやめたのが三ヶ月前。
「…………………肉入ってなきゃ食わねえ」
「肉団子。ショウガたっぷりの。どう?」
「……………………食う」
事態は依然として変わらない。
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