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日付が変わった。
なにをするでもなくスマホのトップ画面を見ていた俺は、溜め息すらつけなくて液晶を真っ暗にさせる。反射して見えた顔は汚くて情けないツラだった。
「はー、やばい。めちゃくちゃ可愛い」
千景は動画を再生している。ずっとあんあんよがってるの、俺の声? 本当に? 女みたいな高い声。猫みたいな甘える声。奴のスマホを奪っていっそ壊したい。
あれから何度も無理矢理イカされた。
ようやく終わったあと、千景は録画をとめて、そのデータを自分の端末へ転送した。止めることも出来ずに、俺はベッドにぶっ倒れていた。それが約一時間前。
「……………消せよ」
今はそれしか言えない。無力な一言。無駄な行動。完全に負けだ。千景は嗤って、スマホを俺に見せた。
「可愛いからみんなにも見てほしいな」
「…………誰だよ、みんなって」
「どっちがいい? 不特定多数と、学校のお友達と」
泣きそうだ。ただの脅しだってわかってるのに、本気で不安になる。
嘘だよ、と千景は俺を抱きよせた。
「ごめんごめん。泣かないで。…………ゆうくん、やだ? みんなに見られんの」
嫌に決まってんだろ。俺は答えない。
「でも目の前でシてみせるより恥ずかしくないでしょ? 公開セックスとハメ撮り晒されんのだったら、どっちが好き?」
「やだ、………っ」
冷静な判断をなくした心は簡単に揺らぐ。答えんなよ、そんなもん。こいつだって本気でするわけじゃない。……………………しないよな? まさか。
「怒んないでよ」
「………………最低……」
吐き捨てても弱々しい。無駄だ。
「またシようね」
「……………………」
「ゆうくん、返事は?」
「…………………………しない、……」
「へー、そうなんだ」
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