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キスというより、口の中も濡れた顎も舐めとって、それからゆうくんは自分の袖で僕の口回りを拭く。服が汚れるよ。………そんなの、本人も分かってるか。
「馬鹿野郎」
短く怒られた。
「………………お前はそんなことしなくていいの」
濡れたままでスウェットを履き直して、ゆうくんはまた僕に怒る。うん。まあ、そんな頻繁にやりたいことでもないかな。
「足んないでしょ」
熱っぽい目のままのゆうくんに聞く。あんなちょっといじっただけで満足する身体じゃないもんね。
「っ、てめえマジで殺す」
「先輩にそんな口聞いていいの?」
「お前のこと先輩とか思わない。もう一生思わない」
「一度でも思ったことあった?」
「初対面の数秒」
「まだ授業あんの?」
抱きついて首を吸う。
「っ………ある。やだ。次、必須だもん。サボんねえよ」
「え、サボれなんて言ってないけど?」
肩を殴られた。
それからゆうくんは僕に寄りかかってくる。
「っ……………むり、……」
ゆうくんのいいところは快楽に弱くて、馬鹿なとこだ。
「足んねぇ、………どうすんだよ、馬鹿」
しがみついてくるゆうくんに尋ねる。
「どうしたい?」
「……講義はサボんねぇ」
「いってらっしゃい」
てめぇあとで覚えとけ殺す。勢いよく立ち上がって走ってドアに体当たりしてる。ガラスに気付かない鳥みたい。
「ちゃんと鍵かけといたよ」
「っ……言えよ! 馬鹿!」
走り去ってく彼の足音を聞いて、……………聞こえなくなったところで僕は立ち上がる。さて、僕はもう授業ないし、帰ろうかな。
キスされた唇を指先でなぞる。
お前はそんなことしなくていいの。怒った彼の言葉を脳内再生。
リピート。
なんだろう、この気持ち。
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