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やっぱり嫌いなのかも。
花城の部屋にあがりこんで、勝手にベッドに寝そべる。寮生活なんて、死んでもしたくない。
男子禁制の女子寮には寮監の目を盗んで男子が度々出入りしている。女の子が率先して招き入れているんだから、止めようがない。ま、バレたら最悪、退学だけど。
「聞きたくないんだけど」
花城は嫌そうな顔をして鏡越しに僕を睨んだ。大ぶりのピアスをつけている。
「どっちだと思う?」
「知らないよ。昨日は好きで今日は嫌いなの?」
「正確には昨日の昼間と昨日の夜」
「知らないよ」
「やっぱり嫌いなのかなあ………」
私に聞かないで、と花城は言う。人間離れした僕の友達は人を愛さない。恋愛の感情を生まれつき持たない。与えられた身体と戸籍が女というだけで、本人は自身の性別をどちらと決めていない。
「答えは求めてないよ。話したいだけ」
「のろけ?」
「に聞こえる? じゃあこれって恋?」
再びの、知らないよという言葉にあわせて洋服が飛んでくる。……………違った。僕の視界を覆い隠したそれは和服だった。あれじゃないこれじゃないと、大量の、カラフルかつ柄だの紋様だの、目がおかしくなりそうなクローゼットの中身を花城は漁っている。
「本当に殺しそうになる」
「ヤってるときだけでしょ。あんたの性癖歪んでんじゃないの」
「歪んでるのは自覚あるけど」
「自重しろ」
「出来たらしてる」
「…………普通に出来ないの?」
「しようと思ったんだよ、昨日は」
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