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冬休み
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12月も中旬に差し掛かりもうすぐ冬休みのいま、俺は連休中のシフトをどうするかまだ迷っていた
高2の冬休みなんて受験勉強が始まる来年のことを思うと最後に思いっきり遊べる絶好のチャンスだけど、バイト先のことを考えると
連休の半分くらいは出勤したほうがいいのかなとも思う
店長は優しい人で「うちは大丈夫だから遊んでもいいよ」とは言ってくれてるけど…
どうしようかなぁ…
バイト先に掲示してあるシフト表を見ながらうんうん唸っていたとき
バックヤードの扉が開いて斎藤が入ってくるのが見えた
「あ、お疲れ」
「おー、おつかれー」
「お疲れ」と少しはにかみながら入ってきた斎藤の鼻は少し赤くて
外、寒いんだなぁ
と容易に想像できた
「なに見てんの?シフト表?」
斎藤は俺の横にきてシフト表を手に取った
斎藤が働き始めて数週間経ち、その間ほとんど俺とシフトが被っていたこともありすぐに仲良くなった
「うん…斎藤はさ、冬休み、シフトどうすんの?」
そこら辺にあった椅子に座りながら聞くと、斎藤も机に体重を預けた
「俺は、店長と相談してほとんど休みにしてもらった。まぁ早いかもしれないけど受験勉強したいし」
「すげぇな…俺遊ぶことしか考えてなかったわ…」
「まぁそうだよな、実際なにも気にしないで遊べる最後のチャンスかもしれないけど早いに越したことはないかなって思って」
笑いながらそう言う斎藤はなんだか大人に見えて、「遊びたい」なんて思っていた自分が少し恥ずかしくなった
「今から受験勉強かぁ…行きたい大学決まってるとか?」
「あぁ、H大に行きたいんだ俺」
「H大…⁉…H大ってお前相当偏差値高いとこだよな…すげえな…」
斎藤がいうH大は県外にある有名な大学で到底俺のような学力が低い人が目指せるような場所ではなかった
容姿だけでなく学力にも恵まれてんのかこいつ…
けどこの時期から勉強したいだなんて相当の覚悟とやる気があるんだな‥‥
なんか…‥‥かっこいいな…
今思えばこの時、自分自身をもっていて、誰よりも努力するこいつに俺も少し引っ張られたのかもしれない
「なぁ…勉強、俺も一緒にしていいかな」
こんなこと大の勉強嫌いな俺が言うなんて。
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