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高尾くんとボクの関係は友達だ。
高尾くんにはいつでもボクが視えていたから。みんなで遊びに行く時はいつも一緒にいた。火神くんにも緑間くんにも「黒子から目を離すなよ」と念を押されていた彼。彼は、ぼーっとするとすぐにみんなからはぐれるボクを引っ張ってくれた。「ほら、黒子!ぼんやりしないの!!」って。
高尾くんは同い年だけど、お兄さんみたいだと思ってた。いつも、ふざけてはいたけれど、根は優しくていい人だし、むしろ、優しすぎるくらいだった。しっかりしてたし、なにより、あの緑間くんを手懐けるような人だ。バスケプレーヤーとしても、人間としても尊敬していた。
そんな彼は死んでしまって、もうこの世にいないのだという。
本当なのだろうか。
全く、実感なんてわかない。
でも、緑間くんの表情を見ると、そうなんだとゆっくりとだけど、思える。緑間くんはひどくやつれていた。まだ、高尾くんが死んで数日な訳だけど、精神的なショックが大きかったことが窺える。目の下にはくまが出来ていたし、目が腫れぼったくなっていたのは泣いたからだろう。彼はなんだかんだと泣き虫なところがあったけど、今までの比ではなかったのだろう。ボクに電話をかけてきたとき、言葉にするのも辛かったみたいで、電話口でもそれが伝わってきた。彼は、本当に高尾くんが大好きだったんだなって思った。
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