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少年はそこまで語ると、口をつぐみました。
少年の物語に聞きほれていた王様は、しばしの沈黙の後言われました。
「なるほどのう。その吸血鬼は、美食にかまけるあまり、民の支持を失い、吐き気を催すようなものを喰らって暮らすことになってしまったのだな。」
「左様でございます。」
きらきらと明け方の空のような瞳が、王様を映して臆する様子もなく、まっすぐに輝いていました。
王様は思いました。
(・・・不思議な奴だ。・・・そうして、面白い奴だ。今までの奴隷どもとは何かが違う・・・まだ、生かす価値があるやも知れぬ。・・・)
王様は、少年に命じられました。
「その方、明日の夜もまた、夜伽に参れ。そして、余にまた不思議な話を聞かせるのだ、よいな。」
「承知致しました。」
と少年は言い残し、王様のお休みの邪魔にならぬよう、下がりました。
少年は、明日の夜はいったいどのような話をするのでしょうか。それとも、話の途中で飽いた王様が、少年をはかなくしてしまう方が先でしょうか。
わたくしは、明日の夜を恐ろしいような、待ち遠しいような気持ちになりながら眠りに付いたのでございます。
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