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少年はそこまで語ると、口をつぐみ、王様を見ました。
少年の物語の余韻に、しんと浸っていた王様は、しばしの沈黙の後言われました。
「なるほどのう。その盗賊は、嫉妬に狂って禁忌の館にまで踏み入った挙句、その自由をそねんだ長命の者たちに、死ぬるときまで雌伏させられ、隷従させられる運命を辿ったのだな。」
「左様にございます。」
少年は、静かな声で言いました。
「だが、衣住食に困らぬ生活は送ることができたのだな。」と、王様は、皮肉そうに唇をまげて仰りました。
そうして王様は、おもむろに少年に命じられました。
「明日の夜もまた、夜伽に参るがいい。そして、余にまた不思議な話を聞かせるのだ、よいな。来なければ、その首、はねてしまうぞ。」
「承知致しました。」
少年は恐れる風もなく言い残し、王様のお休みの邪魔にならぬよう下がりました。
少年は、明日の夜はいったいどのような話をするのでしょうか。
明け方の近くになりまして、わたくしもまた、明日の夜が待ち遠しいような、恐ろしいような気持ちになりながら、眠りに着いたのでございます。
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