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恋心2
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そうだよな…
僕って真斗を好きになれる立場になんかないんだよ。
もし、僕が綺麗だったら
もし、僕が穢れてなかったら
もし、僕が女の子だったら
真斗と付き合えたりしたのかな。
「…馬鹿らし」ボソッ
そんなタラレバ意味ないのに。
今日の授業は全くと言って頭に入ってこなくて、2週間後に迫った定期テストがやばいななんて現実逃避してた。
「凪、お昼さ晃先輩のとこ行こうかなって思ってるんだけど来る?」
あと少しで四限が終わると言う時、前にいる真斗からそう聞かれ、一瞬迷って断った。
だって、もし、会ったら…
…保健室、行こ。
===
「先生〜?」
「吉沢くん?どうしましたか」
「いや、お昼ここで食べよっかなって思って」
逃げてきたけどこれで良かったのかな…
いや、むしろ逃げなきゃどうかしてた。大丈夫、賢明な判断だよ僕。
「それは嬉しいですね、さぁ座って」
「ありがとうございます」
鳴海先生は、事情を聞かずにただ近くにいてくれる。それが心地いい。
でも今は誰かに聞いて欲しい、、、
「先生、相談いいですか?」
「私でよければ聞きますよ」
「あの…僕、好きな人が出来まして…」
「、何だか青春って感じのお悩みだね、おじさんには眩しすぎるよ」
「そんな、ものじゃなくて…その、僕は汚いんです。その人の隣になんて本当はいちゃいけないくらい…」
部外者の先生に何言ってんだろ…
こんなのただ痛い奴じゃん…
「すみません、こんな変なこと言っちゃって…」
「…吉沢くんが何を持って自らを汚いなんて卑下してるのかは分からないけど、でも俺から見た吉沢くんは充分綺麗だよ。それにもし汚れていたとしてもそれを受け止めてくれる人を探せばいいんじゃないかな」
「…でも、その人じゃなきゃ嫌なんです」
「…そっか、難しいね」
真斗じゃなきゃ嫌だ。
だけど、僕が汚れたことを真斗が知ったら幻滅されるんじゃないか…?
きっと前の僕みたいに"キモチワルイ"って言われる。
そんなの…耐えらんないよ。
「…まぁ恋で悩めるのは子供のうちだけなんだから精一杯考えて、それでも答えが出ないんならまたここにおいで」
「はい…」
先生はいつもと同じ優しい笑顔でそう言ったけど、どこか言葉に棘があった気がした。
でも、1人じゃ抱えきれないこの気持ちを吐き出せる場所がまだ欲しくて何も言わずに教室へと帰る。
「…苦し」
胸がズキズキと痛んでは、目の奥がツンとする。
僕こんな涙腺緩かったっけって1人で嘲笑しながら午後の授業を受けた。
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