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入学初日のオリエンテーションも終わり、寮へと戻る。
政治家、発明家、芸術家など有名人を多数輩出してきた歴史ある学生寮らしい。
強制的ではないが、学校から歩いてたった3分のこの寮を希望する奴はたくさんいる。
しかも、立派な食堂や大浴場も揃っていて、かなり綺麗な学生寮に違いない。
が、そのため人気すぎて、一部屋に二人になるということだけは抗議したいくらいだった。
プライバシーが一切なさそうなこの仕組みをロクなものじゃないと思っていたが、同室相手がなんと後ろの席の瀬戸 颯人ということを知る。
全ては出席番号順に感謝する。
入学式が終わった後、このことに気づいた俺は心の中でガッツポーズした。
入学前から下見に来たり、荷物を置いたりしていたが、瀬戸と出くわしたことはなかった。
ようやく寮の狭い部屋にて、同室となる瀬戸と向かい合う。
改めてじっくり見ると、やっぱり男だけれども、やっぱり心魅かれるものがある。
首席挨拶をしたばかりの俺に、何人か女子が話しかけてきた時でさえ、何も思わなかったのに。
瀬戸 颯人の印象が強すぎるから。
勝手に小柄だと思っていた瀬戸は思ったよりも背があった。
俺の方が高いけど。
マジマジとみていると、瀬戸が困惑した表情で俺を見る。
やばい!
教室でも不審がられただろうから、何か話さないと完全に変な奴だと確定されてしまう。
が、そう思えば思うほど、焦って何もでてこない。
入学式の挨拶の時なんかよりもはるかに緊張していると、瀬戸の方からニカっと笑いかけてきた。
「よろしくな!首席!」
「……あぁ」
「これでテストの時は、安泰だなー。ははは!」
屈託なく笑いしゃべる瀬戸を前に安心したと共に、こいつは本当に男なんだと実感する。
ベッドにドカっと足を広げて座る姿や、口を大きく開けて笑ってる顔なんて、男としか言いようがない。
俺、男が好きってわけではないんだけどな。
でも、瀬戸には無条件で身体が熱くなって、うまく話せないから困ったもんだ。
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