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「また告られたんだって?」
バーガーを食べ終わり、ファンタをストローで飲んでいる颯人が上目遣いで俺に聞く。
こいつ、いちいちかわいいから、慣れてきたとはいえ、時折詰まることがある。
告られたことがバレてることなんかもはやどうでもいい。
「…なんで、そう広まるんだか。」
ファンタを飲む振りして、平静を装う。
こんなバレバレな態度、気づく奴もいるかもしれないけれども、鈍感な颯人なら余裕で交わせる。
「お前、羨ましすぎるだろ!4組の高梨さんかわいいじゃん!なんで、振ってんだよ!」
名前まで…随分と詳しいな。
サッカー部の奴にゴシップ好きでもいるのかよ…。
「こんな時期に言ってくるような奴、勉強と両立できねーだろ。」
「真面目かよ!逆にキモ!」
こんなの建前に決まってる。
だってしょうがないじゃん、颯人以外は同じに見えるんだから。
「…颯人は告られねーの?」
俺はわかって聞いている。
「お前、ウザ!」
ワックで全力でキレている颯人でさえ、愛らしい。
意外にも颯人はモテない。
颯人の顔面だけでも、即彼女ができてもおかしくないと思っていたのに、俺ばかり告られる。
皆がおかしいのか、俺がおかしいのか…。
どっちにしろ、颯人の美貌に気づいているのは、俺だけでいい。
あぁもう。
目の前の颯人をひたすらよくしてやりたい。
俺なら普段以上に思い切り甘やかしてやるのに。
男女だったらしゃべったことなくてもすんなりいくことが、男同士ってだけでこうもむずい。
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