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「だって、お前嫌がるじゃん。実践でやるしかなくね?」
だいぶ引いてみた。
押して微妙なら引いてみたけれども、そのまま引いていくなよ。
…引かれても、また引き戻すけど。
当の颯人はベッドに顔を埋めて、動かなくなっていた。
長いことそのままだったので、俺は明日の準備をしながら颯人の決断を待つ。
しばらくすると、颯人がいきなり起き上がり叫び出した。
「わかった!やれーっ!!何度もやったんだから、もう変わらねーっ!」
覚悟はしたようだが、とても嫌そうに叫んでいた。
「その代わり、絶対うまくさせろよ!絶対だからな!」
怒りで誤魔化しているけど顔が真っ赤だ。それでも、経験を積むことを優先したようだ。
「へいへい。」
嬉しすぎる気持ちを抑えて、わざとかったるそうに言ってる俺、ダセー。かっこわりー。
と、思いながら、ニヤケが止まらない。
ダメだ、これは抑えられない。
「なんで男とできるんだよ…やりすぎると俺もこーなんのかよ…」
軽く引いている颯人だけれども、やらない選択肢はなくなったようだ。
改めて、ここが勝負の分かれどころだと思う。
絶対決めてやる。
「んじゃ、やるぞ」
がっつきまくっているのは脳内だけに留めて、いつも通りを心がけ颯人に接する。
「…ん」
まだ少し表情も身体も固いけれども、最初よりはマシだな。
「嫌ならずっと目ぇつぶっとけよ」
そういうと、こっちがわかるくらい思い切り目をつぶりだすので、軽く腹が立つ。でも、その方が好都合だ。
「……まだ?」
「そんな待たせてねーよ」
「そうか…時間感覚がよくわからなくなるな…」
「どんだけ緊張してんだよ」
手始めに颯人の身体を真正面から抱きしめる。
細いけれども、それなりに肩幅があって女の子とは違う。
「え!そっから?!」
抱きしめられると思ってなかった颯人は、目をつぶりながらテンパってる。
教えると言ったけれども、俺は俺のやりたいようにやる。
颯人にずっと触れたかった。
こんな形であれ、長いこと颯人に触れていることに感動する。
やばい…感動どころか感極まって泣きそうになる。
颯人を抱きしめる腕に力が入ると、颯人が挙動不審に腕の中で動きだす。
「なっ…なんだよ、照れるじゃんっ!」
「こういうのも効くんだって。」
未だに目をつぶっている颯人の髪を指に絡めながら頭を触る。
このふわっふわの髪の毛にも届きそうで届かないことがずっともどかしかった。
頭をなでられた直後はあたふたして落ち着きがなかった颯人だけれども、ずっとなでていたらそのうち俺に身を委ねて大人しくなる。
「…犬にでもなった気分だな」
髪を触られていることが心地いいのか、目をつぶりながらそれなりにリラックスしていることは確かだ。
「ワンって言って」
「ガルルルルルルッッッ」
颯人のツンデレに、一撃でやられた。
なんだこのいちいちかわいい生き物は…俺の常識の範疇を超えている。
性別はさて置きこんな奴がいること自体に、世界に感謝したくなった。
ここまできたらもういいだろう…。
それまで颯人の髪の毛をなでていた手を止める。
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