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4位…。
廊下に張り出された中間テストの順位をみて、顔が引きつる。
入学して初の中間テストは4位…。
首席からスタートした俺は、一気に4位まで転落したらしい…。
同じクラスのメガネの奴が、俺を見てきてニヤリと笑い何も言わずに立ち去っていく。
…。
一位ならともかく、てめー、3位じゃねーか!!しかも、たった三点差で勝っただけのくせに!!
順位なんかどうでもいいと思っていたが、勝ってた奴に負けたことや、全校生徒に首席は高校では一位になれなかったと思われることは想像以上にストレスだ。
「おー4位、教えてくれてありがとうな」
「お前ら…」
同級生のこんなしょーもないからかいにも、腹が立ってしまう。
「なんだよ一誠4位かよー。そこは1位とるところだろ。はははっ」
颯人は、学校でもいつも通り話しかけてくるようになった。
「どいつもこいつも恩知らずだな…そういうお前はどうだったんだよ。」
「…聞くな」
個人ごとに全教科の点数と順位が載った成績表が渡されるが、どうやら颯人は全然よくなかったらしい。
颯人と顔を見合わせて、無言になる。
「あれのせいか…」
「あれのせいだろ…」
二人とも笑えない状況になってしまっていた。
あれから消灯時間がくると、毎晩颯人とやっていた。
そのせいで勉強はちっとも集中できないし、睡眠は全然足りないし、二人とも試験に臨むベストコンディションとは到底言えなかった。
「俺、部活行ってくるわ。じゃーなー。」
学校での颯人は、素っ気ない。
寮ではあんなことやこんなことまでやってるくせに、あんな澄ました顔していて信じられねーぜ。
テスト期間が終わり、中々帰ってこなくなってしまう颯人を見送り、ため息をつく。
一度ため息ついたら、4位になったとか、クラスの奴にマウントとられたとか、嫌なことが一気に押し寄せてくる。
しまいには頭を抱えて発狂したくなってきた。
…そんなみっともないことはしないけれども。
ゆっくり席を立ち、帰る準備をする。
俺の後ろ姿、若くして哀愁が漂っていそうだ…。
あーあー…父さんになんて言おう…。
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