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「どんだけ勉強好きなんだよ。」
呆れた颯人の声に、ハッとする。
すでにシャワーを浴びていて、いつものTシャツにジャージってことは、一回部屋戻ってきたんだ。
父の一件があり、さすがに危機感を持ち出し勉強してたから全然気付かなかった。
「テスト終わったってのに、よくやってんなー。」
「またすぐ期末があるだろ。」
「だなー。……って、それにしても早すぎるだろっ!」
ベッドでファンタをゴクゴク飲む颯人に突っ込まれる。
「そんなに悔しかったんだ?」
「そんなんじゃねー…」
ニヤニヤしている颯人のそばにいき、包み込むように抱きしめる。
「やめろっ!まだ早いだろっ!」
颯人に引き剥がされそうになるけれども、くっついていたい。力尽くで強引に抱きしめる。
ダメだ…思ってた以上にメンタルがやられてる…。
俺が足掻こうとも結局は従い続けることになるのだろうか…。
「どーしたんだよ…」
しまいには、颯人に心配される程、俺は弱ってるのだろうか…
颯人を抱き枕にして、横になる。
さっきまでくっつくことを嫌がっていた颯人だけれども、そのままでいてくれた。
「…俺が寮からでてったら悲しい?」
「はぁ?なんだよそれ、考えたことねーよ』
「…悲しんでくれて、ありがとう」
「言ってねー。」
…なんだか、不思議と颯人に話したくなる。
身体の全てを見せ合っている相手だからか、心まで許してしまってる気がする。
こんなこと今まで一度もない。
「なに、4位ってだけでそんな話になってんの?」
颯人がなんとなく察してくれたようだ。
「…父さんに次は一位取るって言っちまった」
「マジか、お前んちどんだけ厳しいんだよ」
「厳しいとおりこして、俺、ずっと父さんのいいようにマインドコントロールされてたと思うぜ。」
そう…。
改めて口にすると、本当にそう思う。
小学生の時、テレビを見られないことも、ゲームもできないことも嫌だと思ったけれども、父の言うことだから正しいとさえ思っていた。
でも、中学生の時、俺は勉強を教えることでしか同級生と接することができなくなっていることに気づき、それがようやくおかしいと思えた。
勉強は好きだった。できる方だったし、いい結果をとれば褒められたから…
それさえも父に刷り込まれてるような気がして、鳥肌が立った。
だから、反抗するかのように、告ってきた子とした。
父さんの知らないところで、俺の意思でやったことに怖いくらいの高揚があった。
あぁ…
もう父さんが付き纏っているような気がして、自分が自分じゃないみたいだ…。
「辛気くせー顔すんなよな」
颯人に顔を覗き込まれて、ドキっとする。
こんな至近距離での上目遣い…ずるい。
「そんな感じじゃ…優秀な奴が集まったこの寮で、同室の男の俺と、こんなことしてるって知ったら、親父さん相当ビビるんじゃね」
颯人はしたり顔で、俺のものを握って言ってくる。
「激オコだな。連れ戻されて、やばめのカウンセラー行き決定だ」
「それやばっ!やばすぎて、ウケる!はははっ」
なんだか楽しそうな颯人を見ると、あんなに落ちてた俺までつられて笑えてくる。
颯人といれば、なんでもそうなるのだろうか…。
「大丈夫だって。今は一誠、自由じゃん。」
颯人に背中をポンポンと叩かれる。
「表向きだけでもいいこちゃんでいた方がいろいろいいって。次は一位になってくれよ。」
明るく颯人に言われると、自然とそうしようと思えてくる。
…颯人と離れたくない。
「…これも控えた方がいいんじゃね?」
意地悪そうに颯人が握りしめてくるので、やるに決まってるじゃん。と、消灯前だけれども、脱がしにかかった。
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